【ルックバック】映像化の極地
ここまで非の打ち所がないアニメ映画化作品を他に知らない。
正直、原作が既に極限まで完成されきっているので、もはやここから二次的に作品化することは無意味なんじゃないかという気持ちも少なからずあった。
しかし過度な脚色もせず、原作に対するひたすらに実直な姿勢がこれでもかというほど伝わってくる、圧倒的な映像化に成功していたと思う。
そして音楽の使い所・選曲も1つたりともハズレがなかった。逆にここは静寂であってほしいと思っていたところは、しっかりと無音で、且つたっぷりと間を使って描いてくれていたのが嬉しかった。
予告の時点でまず泣き、だけれど上映が始まる頃にはやっぱり泣かないんじゃね?という謎の自信が生まれてた。
しかし終わってみれば案の定、滝のように泣いた。
結末を知っていると本当にどのシーンを切り取っても愛おしいものばかりで、体感ではウルウルしていないシーンの方が遥かに少なかったと思う。
藤野と京本の出会いのシーンは特にお気に入り。興奮を抑えきれない京本と平静を装う藤野のやりとりがコミカルで微笑ましいと同時に、この2人が出会えたことが本当に嬉しくてたまらなくなった。
この時の気持ちはフィクションに対するそれの域を超えるものだったと思う。
映画が初見だった人もぜひ複数回見て。
間違いなく、全編心を揺さぶられ続けるようになるから。
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