『ゴジラ-1.0』感想 そうだった。ゴジラって怖かったんだ、、、
良かったところもイマイチだったところも両方ハッキリしていて、どちらのベクトルも大きい超大作でした!
鑑賞からかなり経ってしまいましたが、遅ればせながらネタバレなしで感想を残しておきます。
概要
良かったところとしては、まずなによりもゴジラがこわい!!!
最近はハリウッド版のヒロイックなゴジラに見慣れていたせいも相まって、初めてゴジラに恐怖を覚えた。
特に放射熱戦の破壊表現がえげつない。射線上を瞬く間に抉り取り、着弾と同時に吹き上がる爆炎、それと刹那の間を置き襲いかかる轟音と全てを吹き飛ばす爆風。「あ、絶対にオワッタ、、、」と絶望させられること必死です。
また、明確な意思を持って襲ってくるゴジラも、怪獣というよりはモンスター映画に近いものを感じて、それはそれで新たなゴジラ像として楽しめました。
人間ドラマとしても主人公の敷島視点で深く描かれていたのも山崎監督らしさが出ていた。かなりやり尽くされたテーマではあるけれど、「生きる」というメッセージで一貫してたのが好印象でした。
今回のゴジラが核爆弾のメタファーというのは明白ですが、それと同時に敷島の内面に深くフォーカスするほど、生き残って“しまった”という彼の自責の念からくる呪いが具現化したもののようにも見えました。
敷島をはじめ、敗残兵として生き残って“しまった”男たちの、己の中の戦争を終わらせるために奮起する姿には熱くならざるを得ませんでした。
そしてゴジラとの戦いを通して、かつての「死して英雄になる」時代から「生きて帰る」戦いへと、精神的に復興していく力強さも素晴らしかったです。
(ゴジラ討伐の作戦を立案するシーンでの吉岡秀隆さんの表情、最高でした😂)
この生き残って“しまった”敗残兵にとっての終戦後も続く地獄が、敷島を通してかなり重く描かれていところは山崎監督の本気を感じました。
その一方でやっぱり優しさを出してしてしまう、悪く言うと甘さが捨てきれない部分も、監督の癖として出てしまっていたように感じたのが個人的に惜しかったポイント。まあそこが良さでもあると思いますが。
セリフのクサさや言わせすぎだなーって思うところは結構気になってしまった。ここはもう少しなんとかならなかったのかなーと感じてしまったのですが、さすがに気にしすぎでしょうか?
また、ゴジラ描写が強烈なインパクトを残していたものの、よくよく考えるとゴジラに対してはほとんど深掘りされてなくね?ってことに気づいてしまいました。
人間ドラマを濃く描くとどうしてもぶつかる壁なのかなと思ったけど、うーんなかなか難しい。
いろいろと言ってしまいましたが、総合的には満足度のかなり高いゴジラ映画でした!
オスカー受賞おめでとうございます!!!
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