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【ゾッとする話】「記憶を書き換えるおばちゃん」がある幸せ

妻と横浜の桜木町にお出掛けしたときのこと

1日一杯だけ、珈琲をドリップして飲むのが趣味の自分は、珈琲と一緒にいただくお菓子を探していました


見付けたのは、珈琲を中心にして輸入菓子などを取り扱うお店


大きな棚に並んだお菓子から美味しそうなものを1つ選び、ぐるっと店内を見回した後、レジに並びます



お店には2つのレジがありましたが、そのとき開いていたのはそのうちの1つだけ

体格がよく、やや威圧感があるおばちゃんがテキパキとレジを打っていました

自分の前に並んでいたのは、ちょうどお会計をしている方を含めて3名


ピッ

ピッ・・・

というレジの音と共に、1名、また1名とお会計が終っていき、自分の前に並んでいた女性のお客さんの番になったときに事件は起きました



その女性がスッとレジの前に行き、手に持ったカゴをレジ打ちのおばちゃんの前に置いた瞬間・・・



「あなた、列に並んでました!?」



レジ打ちのおばちゃんが大きな声で言い放ちます



「えっ・・・」



横入りした仕草など一切せず、レジ前の掲示に従ってきちんと列に並んでいたその女性にとってあまりにも意外な言葉



「横入りはダメですよっ!」



動揺する女性の様子を見て、レジ打ちのおばちゃんの言葉が一層強くなります



「えっ、えっと・・・」



その女性の動揺が最高潮に達したとき、くるっと振り返り、消え入りそうな声で自分に向かって問いかけます



「あの・・・私、並んでましたか?」



まさか、なんということだ・・・

あまりの衝撃で、ちゃんと列に並んでいた記憶が無くなっているじゃないか・・・



「いや、ちゃんと並んでましたよ!」



その女性の混乱を解くべく、ちゃんと並んでいたことを伝えます

しかし、自分の言葉を聞いてもなお、その女性は疑心暗鬼

首を傾げながらゆっくりと前を向き



「・・・私、並んでいたみたいですけど」




自分の援護証言を得てもなお、レジ打ちおばちゃんのプレッシャーには抗えないのか


その言葉と裏腹にその女性の身体は少しずつレジから遠ざかっていきます



これはまずい

この女性が自信を失ってしまう

そして、最悪、二度と買い物の列に並べない身体になってしまう

記憶を取り戻してくれ、自分の前の人!

自分も声を振り絞ってレジ打ちおばちゃんに訴え掛けます



「この人、並んでましたよ!」



自分の横に居た妻も声を上げます



「私も見てました!」



・・・さぁ、どうするレジ打ちおばちゃん


そして、自信を取り戻すんだ自分の前の人!

自信を取り戻して、また楽しく列に並ぶんだ!


自分と妻の願い通じるか
息を飲んだそのとき



「・・・そうですか」



ピッ

ピッ・・・



レジの音が再び店内に響き渡り

自分の前の女性は無事に買い物を終えて帰りました


・・・ということで、いかがだったでしょうか

ちょっとおふざけ入ってますが、実話です

レジ打ちおばちゃんがどうしてその女性が横入りしたと思ったのか未だに謎ですが、完全にシロの人間に堂々と疑いを掛ける様子を見てゾッとしたのと


あまりのプレッシャーに、まるで記憶がおかしくなってしまったかのような女性を見てゾッとしたという


二重にゾッとしたお話でした


みなさんもこんな光景に遭遇したことあるでしょうか


面白い話があったら教えてください


では、また!

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