二日酔いから自身を救う
二日酔いだ。救えなかった。手遅れだ。
今日は何も動けない。ソファで寝ているか、水を飲んでいるか。
まだ、貴重な休日を二日酔いに潰される感覚は苦手だ。純粋な胸焼けの身体的ダメージと、また僕はやってしまった。という精神的ダメージの両方が押し寄せてくる。
二日酔いになる度に、もう二度と二日酔いにはならないと自分と約束するが、寝ている間に定期的に約束はビリビリに破かれていて、二日酔いの朝を迎える。
二日酔いになる程、飲んだ日には良い記憶がない。
その日の記憶がないから、良い記憶を持てないのだ。
可笑しなこと、言ってなかっただろうか?
本当に何も覚えていないのだ。流石に友達に僕は変なこと言ってなかったか?とか妙な聞き込み調査をしようとは思わないが、心配である。
大体友達は物凄く酔っていたねえと笑ってくれているが、
実際に何を言っていたのかは暗闇に消えてしまう。探索不可能。
自分の適正の量を把握して、セーブしましょう。
そんなこと言われても困る。気をつけて、途中で水を飲んでいても、
いつの間にかセーブが外れる。セーブ出来ないから、二日酔いになる。
日本にいた時は、飲酒中の自分を信用することは辞めていた。
飲む前と飲んだ後の自分が、明日の自分を救うのだ。
飲む前に松屋に入り、腹に何か詰める。
ウコンの力をコンビニで買って、喉に流す。
ウコンの力は飲む前でも十分に能力を発揮する。
いざ友人との居酒屋探検に出陣。
探検を終え、千鳥足で帰宅。意識が朦朧とする。
お風呂と歯を磨く前にやることがあるぞ。
脳内に直接、明日の自分が話しかけてくる。
そんな時は、追いウコンの力だ。
冷蔵庫から聖なる缶を取り出し、
キャベジンという魔法の粉瘤と共に流し込む。
寝ている間の自分が二日酔いとの戦闘に勝利出来るよう、
キャベジンとウコンの力で自身を強化しておく。
この戦法で負けたことはない。
昨日の飲み会前後の自分は何をしていたのだろう。
腹にものも詰めていない。
この国にはキャベジンとウコンの力がない。
水分補給だけで勝てると油断をしていた。
今日の自分もなすすべなく、傍観していたのか。
二日酔いは手強い。
早急にこの国での明日の自分を救う戦法を確立しなければ。
こんなに酒で痛い目を見ているのに、まだ飲もうとする僕に笑える。
お酒はほどほどに。