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生死を分ける3000円

1997年9月20日(土)
わたしは鬼太郎さんだったようだ。
わたしと娘さんは妖怪の棲むあばらやから脱出したのだったが、なぜか戻って行ってしまった。ご供養のつもりだったかもしれない。

昼なのにあばらやの中は暗かった。
白いうさぎさんがシンバルを持っているおもちゃを床に置いた。魔除けらしい。
ふたりは手を合わせた。すると、妖怪白髪老人の悪の気が、凄く感じられ──柱の影からこちらを睨みつけているではないか。
やっぱりだめだったかあ・・・甘かった・・・と焦った。

妖怪白髪老人は「3000円以下のおもちゃなど!」と、いまにも食いかかって来る勢い。
やはり3000円以下ではだめかあ!

悪の気が竜巻のようにふたりに襲いかからんとした。
「石─あたたかい色の石─のように重くて堅いものを持ってください!」
娘さんに叫んで、はっと目があいた。危なかった・・・。


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