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- 7days book cover challenge, DAY5 -

「7日間ブックカバーチャレンジ」企画のルールからは逸脱したやり方ですが、7冊の本を紹介します。(前置きについてはDAY0をご参照のこと)

前回紹介した牧野富太郎博士が、高野文子先生の『ドミトリーともきんす』という漫画に登場し、高野先生のフィルターを通した若き日の牧野先生と出会うのは不思議なことだった。5日目は『ドミトリーともきんす』を紹介しようかと思ったけど、少し趣向を変えて今日は詩集を選んでみよう。

『ぼくがゆびをぱちんとならして、きみがおとなになるまえの詩集』斉藤倫 高野文子 画 / 福音館書店

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自分の本棚を眺めていると「子どもがいるから読んだ本」というなんとなくの自分なりジャンルがあることに気付く。例えば安野光雅『かんがえる子ども』。元々安野先生のファンだけど、このエッセイに関しては子育てを意識しての読書だった。宮崎駿『本へのとびら - 岩波少年文庫を語る』などは、娘が本をちゃんと読めるようになったら選書の参考にしたいと勝手に思っている。「実用」という言葉は似合わないが「いつか父親としての自分の役に立つかも」なんて、未来を思いながらの読書は楽しい。

この長いタイトルの風変わりな詩集も、本棚の「子どもがいるから読んだ本」周辺にさしてある。
例えば、娘に「詩のよみかたを教えて」と言われたとしたら、答えられない。自分もよくわかっていないから。「ここがいいんだ」とか「うまいなあ」とか感覚的に味わっているもので、説明なんてできない。でも、その感覚をわかりあいたいと思った時に、この本が役に立ちそう。
 
自分と同じくらいの年令と想像される「ぼく」と、小学生の男の子「きみ」との会話で物語は進む。平易な言葉で「詩とは何か?」について語られ、章ごとに技法や表現の効果などを教えてもらえる。各章に二編の「凡例」的な現代詩が収録される構成もうまい。
 
あっという間に読みきってしまう一冊だけど、娘の成長とともに何度も読み返したくなるのだろう。
高野文子先生の表紙画や少し控えめな挿絵も素敵。

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僕のチャレンジの目標は、薦めた本を誰かが本屋さんで買ってくれること。(個人店の通販であれば尚良し)
というわけで、この本が買えるページを紹介します。



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