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生命保険金に相続税はかかるの?非課税枠についてや注意点を徹底解説!

生命保険に加入している方が亡くなると、受取人に指定されている方が保険金や給付金などを受け取りますよね。このような保険金や給付金に、相続税は課税されるのでしょうか?

今回は生命保険金は相続税の課税対象になるのかどうか、いくらまでが非課税となるのかなど、詳しく解説していきます!


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1. 相続税の対象となる生命保険とは?

原則として、受け取った生命保険金には税金がかかりますが、かかる税金の種類は一律ではありません。

生命保険金に対してかかる税金は、その保険契約の保険金を受け取る人(受取人)によって以下のように異なります。

国税庁のホームページによると、被保険者、保険料の負担者、保険金受取人における死亡保険金の課税関係は次のようになります。

国税庁 ホームページ 『No.1750 死亡保険金を受け取ったとき』

例えば、夫婦がいて子がいるケースだとこのような課税関係なります。

受取人が誰かによって保険金にかかる税金の種類が変わるということは、受取人によって最終的に手元に残る保険金の額も大きく変わってきますね。

2. 生命保険金の相続税の非課税制度とは?

生命保険金には、非課税制度が設けられています。この理由としては、死亡保険金は被相続人が亡くなった後の相続人の生活を支えるという役割があるため、このような制度が設けられています。

その非課税枠(非課税となる限度額)は次の計算式で算出します。

保険金の非課税限度額 = 500万円 × 法定相続人の数

法定相続人とは民法で定められた相続人のことです。
たとえば、法定相続人が4人いる場合は

500万円×4人=2,000万円

となり、受け取った保険金のうち2,000万円までは非課税として扱われることになります。

また、保険金から非課税額を引いて残った金額がある場合は、その金額が相続税の課税対象となります。

3. 生命保険金の非課税枠の具体例

生命保険の非課税枠の具体例を、いくつかのケースで確認しておきましょう。

例1)生命保険金の合計が非課税枠を下回る場合…

法定相続人:妻、長男、長女の3人
生命保険金の受け取り
               :妻が1,000万円、長男が200万円

この場合、計算は次のようになります。

【step1】生命保険金の非課税枠を計算する
500万円×3人=1,500万円

【step2】相続人が受け取った生命保険金の合計額を計算する
1,000万円+200万円=1,200万円

【step3】step1の金額とstep2の金額を比べる
⇒1>2のため、生命保険金は全額非課税

なお、使い切れなかった非課税枠の200万円を他の財産などから控除することはできません。

例2)生命保険金の合計が非課税枠を上回る場合…

法定相続人:妻、長男、長女の3人
生命保険金の受け取り
       :妻が1,000万円、長男が600万円、長女400万円

この場合、計算は次のようになります。

【step1】生命保険金の非課税枠を計算する
500万円×3人=1,500万円

【step2】相続人が受け取った生命保険金の合計額を計算する
1,000万円+600万円+400万円=2,000万円 

【step3】step1の金額とstep2の金額を比べる
⇒1<2のため、相続税の課税対象はその差額である500万円となります。
2,000万円-1,500万円=500万円

4.生命保険金で相続対策ができる!?

生命保険金の特徴を活用すると、相続対策ができる可能性があります。どのような相続対策があるのか見ていきましょう。

⑴財産を遺したい人に受取人を指定できる!

生命保険金は受取人を選んで指定することができるため、受取人を財産を遺したい人に指定しておけば、確実に渡すことができます。

生命保険金は民法上の相続財産ではなく受取人固有の財産となるため、たとえ遺産分割で相続争いが起きたとしても、生命保険金は遺産分割協議の対象外の財産となり、確実に遺すことができます。

⑵納税資金の確保に役立てることができる!

例えば、相続財産に土地や建物などの価額の高いものがあった場合、「被相続人の死亡を知った日から 10ヶ月以内」の期間に相続税の現金一括納付が困難になるケースがあります。

相続した不動産を売却して納税資金に充てることもできますが、売却には手間と時間がかかり、10ヶ月という納付の期限に間に合わない可能性があります。

このようなケースを避けるために、相続人を受取人とした生命保険に加入しておくことで、死亡後に生命保険金を受け取ることによって納税資金に充てることができます。

⑶代償分割に活用できる!

代償分割とは、特定の相続人が不動産などの現物を相続する代わりに、他の相続人に金銭などを支払い調整することで分割する方法です。 

生命保険金を活用すると、代償分割の際の代償金を支払う資金を確保することができます

例えば、相続財産が被相続人の自宅不動産のみで、相続人が兄弟2人であるとします。長男がこの自宅不動産を相続すると明らかに不公平になってしまうため、長男から次男へ代償金(現金)を渡して支払いを調整することで、解決ができます。

しかし、そもそも長男に代償金を支払う資金がなければ代償分割は成立しません。そこで、長男を受取人とした生命保険に加入しておけば、生命保険金によって代償金を準備することができます。

5. 相続放棄をしても生命保険金は受け取れる?

相続放棄とは、家庭裁判所で申述が受理されることで、被相続人の財産に対する相続権の一切を放棄することです。

そのため、相続放棄をするとプラスの財産はもちろんマイナスの財産も引き継がずに済むこととなります。

では、相続放棄をした場合、受取人として指定されている生命保険金も受け取れなくなってしまうのでしょうか?

実は、保険契約や約款で受取人として指定がされている場合には、相続放棄をしても生命保険は受け取ることができます。

なぜなら、受取人が指定されている生命保険金は相続財産ではなく、受取人の固有財産となるからです。そのため、たとえ相続放棄をしたとしても、原則として生命保険金を受け取ることができます。

ただし、注意が必要なのが、相続放棄をした人が受け取った生命保険金には非課税枠を適用することはできません。

そのため、相続放棄した方が受け取った保険金の額によっては相続税の課税対象となる可能性もあるため、注意が必要です。

まとめ

いかがだったでしょうか。相続が発生して生命保険金を受け取った場合には、まずその生命保険金は本当に相続税の対象なのか?【500万円×法定相続人の数】である非課税枠を上回るか?下回るか?
について、簡単に判断することができますので、一度計算をしてみて下さい。

生命保険金は被相続人が亡くなった後の相続人の生活を支えるための大切なお金となります。ぜひ、相続税を計算する際にこの記事をお役に立てていただけましたら幸いです。