【書籍レビュー】心にのこる絵の描き方【無料版】
答えのない課題について解説してくれるチャレンジングな一冊
★手に取ったきっかけは?
筆者の松村上久郎さんはyoutubeに沢山のお絵かき講座動画を上げられている方で、ペン画で描かれる独創的なキャラクターと、その世界感に一目惚れしてチャンネル登録していました。
その松村さんが本を出されていたのは知らずでして‥「心にのこる絵の描き方」という絵描きなら手を取らざるを得ない独創的なタイトルに引っ張られ読破しました。
★どんな概要?
タイトルの通り「心にのこる絵の描き方」について書かれた本です。こういう切り口の本はあまり見かけないですが、絵描きなら誰もが悩むポイントですよね。そもそも心という概念自体が抽象的なものなので、一部の解説は理解しづらい所がありましたが、言語化にチャレンジされた心意気溢れる本だと思います。
★漫画家志望 or イラストレーター志望 向き?
本の中で登場する解説絵もペン画(漫画の絵風?)が主で、いわゆる一枚絵風ではないので、イメージとしては漫画家志望向けかと思います。ただ主題である「心にのこる絵の描き方」という観点はイラストレーター志望でも参考になると思います。7:3くらいですかね?
★どんな構成は
以下、全4章でまとまっています。
1章 相手に気持ちを伝える
2章 自分の気持ちを絵にしよう
3章 好きなところへでかけよう
4章 自分だけの世界を描こう
ほぼ全ページに松村さんの解説絵が載っていて(ギッシリ)、赤ペン添削風に補足説明されています。絵中心なので視覚的に分かりやすい所が良い点ですが、逆に文字が少なく理由説明みたいなものは省かれていたりします。各章で書かれた内容が、なぜ人の心に残る事に繋がるのか?があまり触れられていないです。(各章配下の小章についても同様で)
論理構成が曖昧なまま解説読んでいると、抽象的な話が出てきた時に理解が困難な状態も相まって、コレ心にのこる描き方の本だよね?と何度か表紙を見返したり、目次に戻ったりして混乱してしまいました‥まぁそこは村松さんを信頼して気にせず読むのが良いかも
★役に立つポイントは?
各章の解説例がかなりミクロである点は注意です。例えば1章の1ページ目ですが、いきなり「励ましている」キャラを読者に伝える表現方法について触れられています。漫画においてはあまり出てこない状況 (出てきても1回くらい?)、もっと出現頻度の高い状況を例に出して欲しかったです。(ご飯を食べ美味しいと感じているとか、辛い事を言われ泣くとか)
個人的には4章がオススメで、主題と少しずれる部分があるのですが、「何が描きたいか分からない時の対策」「ヘタウマの解説」「独自の世界観を作る方法」など、オリジナルの漫画を描く人なら誰もが悩むけどハウツー本には書かれていないポイントに触れられています。
★まとめ&星(5段階):★★★☆☆
読後、いきなり心にのこる絵がバリバリ描けるという感じにはならないと思います。そもそも主題は明確な答えがあるものではないと思いますので、参考にして自分なりの答えを上方修正できれば、御の字かと。
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