引鉄(ひきがね)
占いの結果が悪かったらすることは、占い師を変えてもう一度占うことではない。
現実を受け止めることだ。
とても厳しいことを書いているが、現実はシビア。
占いの結果一つで、崖から蹴り落とされることだってあるのですよ。
仲睦まじいカップルの相談で、相手の素性を明かして現実を見せる。
好きな人に、実は妻子がいたのを見破る。
お金を貸した人から、お金は戻ってこないことを伝える。
占いでこのような事実や未来を観ては、相談者さんの希望を撃ち抜いたことは何度もあった。
「あんたって死神みたいやな」
占いの師匠から冗談っぽく言われたこともあるが、占い師さんってそういうお仕事だ。
「目を醒ませ」とカードが伝えているのだから、それをきちんと読む事が役割。
そう自分に言い聞かせて、これまでカードを何千回と読んできては、引鉄を引いてきた。
別に相談者さんに意地悪をするつもりはない。
ただ、私が見えた現実や将来を述べただけ。
それが占い師さんの仕事だから。
ドライになるべき所かなと私は考える。
いや、ドライにならないとやってられないのだ。
本当にいい事が出たら、言ってあげたい。
でも、事実なんだよ。
占いの結果を、忖度なんてしたくないから。
でも、細い希望が少しでもあるのであれば、それを見つけるのも大切な作業。
だから、それを見つけるようにする。
「細い希望」で上手く行く可能性は低い。
でも、それが突破口になるならすがるしかないのだから、可能性が低い事実を述べつつも、解決の糸口になりそうな話をするのだ。
現実という引鉄と、解決の糸口を狙う引鉄。
同じカードで、全く違うものを見つけることは至難の技だが、これこそ占う側の醍醐味であって、それが出来てこその占い師さんだ。
だから今日も心を整えて、占いに出発する。
二つの引鉄を引いて、お客様に満足してもらえてこそ、占い師さんと言うお仕事なのだから。
では、今日も行ってきます。
ずっと書き溜めていたものを、少し表に出してみました。
また次回です。
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