春の海のご馳走
そうちゃんが泊りに来てくれた二日間。
1日目は夏によく行った釣りができる公園へ行きました。そうちゃんが『はるちゃんも安全に遊べる釣り場がいい』と言った場所です。ここならはるちゃんも楽しく遊べます😊
はるちゃんはまだばあちゃんの家で泊ったことはありません。いっぱい遊んで夕方になったら家へ帰ります。
昨年の春、そうちゃんとこの海岸へ来た時、海藻を採っているおじいちゃんとおばあちゃんがいて、そうちゃんと私も見様見真似で海藻採りをしました。
1年前ここで海藻を採ったことを思い出したのか、そうちゃんは、「じいちゃん、ちょっと遊んでからあとで釣りするけん」って言って浅瀬で海藻を採りはじめました。
波をよけながら、波が引いた時に、岩にくっついた海藻を手で採ってはバケツに入れます。
弟のはるちゃんもスコップ片手に波打ち際で遊んでいます。
場所を移動しながら、岩がたくさんある場所ではカニを探し、自分なりに考えた、『波の力で自動で海藻が溜まるダム』も作りました。
よく見ている漁師さんの動画の定置網をヒントにしたのかなと思います。
ダムを作り海藻を採り、カニを探して遊ぶそうちゃんの少し前を、波に揺られながらペットボトルとコーヒーの空き缶が浮いています。
「ばあちゃん、あれ取れんかな?」
そうちゃんが何をしたいかは分かっています。
海に漂うゴミを拾いたいのです。
「ちょっと待ったら、こっちへ寄って来ると思うよ」と私。
思ったとおりペットボトルも空き缶もしばらくしてそうちゃんの前まで寄って来ました。
手を伸ばして拾ったそうちゃんは、「ばあちゃん、これ持って帰って捨てよう」って言いました。
思ったとおりです。
カニはまだ時期が早く1匹も見つけられませんでしたが、海藻採りが楽しくなったそうちゃんは、釣もせずひたすら岩に付いた海藻を集めてはバケツに入れています。
最初は手で採っていましたが、途中からはスコップを使って岩からはがすことを思いついたみたいです。
波が打ち寄せるのでしゃがんで採ることはできません。ずっと腰を曲げた姿勢で採っています。腰が痛くなってはかわいそう。
「そうちゃん、もうたくさん採れたよ、腰が痛いだろ」って声をかけますが、
「そうちゃん、海藻採り楽しいんよ」って言ってやめません。
結局、Mサイズのビニール袋に3杯採りました。
昨年の春、私が「そうちゃんが採ってくれた海藻、洗って茹でて冷凍して、何回もおうどんやお味噌汁に入れて食べておいしかったよ😊」って言ったのを覚えていたのだと思います。
採った海藻を見ながら、「ばあちゃん、海藻たくさんあるけん嬉しい?」って聞きます。
そうちゃんにとっては、もちろん海藻採りが楽しかったのでしょうが、同時に海藻を採ってあげたら、きっとばあちゃんが喜ぶって思ったのでしょう。
親が我が子の笑顔を見る時に幸せを感じるように、子どももまた大人が喜ぶ顔を見て、幸せを感じているのだと思います。
そうちゃん、そうちゃんが採ってくれた海藻、ばあちゃんは嬉しすぎてもったいなくてなかなか食べれんよ・・・って心の中で思いました✨
そうちゃんの気持ちに思いを馳せながら、『春の海のご馳走』を大切にいただきたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございます。