【コラム】オンライン学習を体験して気づいてしまったこと と 見えてきた「未来」
オンラインで全然いけるんじゃないか?
3月から3ヶ月超、長男と次男のオンライン学習をやってみたところ、前から頭では思っていたことですが、経験からはっきりと気づいてしまったことがありました。
小学校中学年(3年生)以上だったら、オンライン学習でも問題ないんじゃないか?
これは、今回自分も保護者として、経験してみた経験ですが、
・ 勉強はむしろ集中できる。(クラスメイトが物理的にいないので、授業に集中できる。しかも予め録画してあるものをみることができるので、わからないことがあれば、再度見て確認もできる。)
・ すでにオンライン学習のためのコンテンツは山のようにある。(教科書とかでも、オンラインでYoutubeで解説動画を作成している人が何人もいて、学校もそれを活用していました。)
・ わからないことがあれば担任の先生や科目担当の先生で気軽に質問できる環境がある。(長男はいつもわからないことがあれば、Google Meetで先生がいる会議室に繋ぎ、質問しに行っていました。)
・ 友達とも、オンラインで交流(オンラインでSwitch(あつまれどうぶつの森 など)で遊んだり、ZoomやGoogle Meetでお喋りしたりと、楽しみ方を見つけてました。)
もちろん、うまくできない子もいたりするのですが、そこは
・ 先生やスクールカウンセラーがフォロー
もあって、うまく回っていたと思います。
幼児期はまだ難しいかな?
ただ、小学校低学年(2年生以下)や幼稚園・保育園の児童の場合は、正直「画面の前で座っていられない」「集中できない」ので、こりゃオンラインはまだまだ難しいな というのが印象です。早ければ、小学校に入るくらいからきちんと座って授業を聴けるこもいるかもしれませんが、多くの子は、うちの次男みたいな感じだろうな と思うと、幼児期のオンライン学習はまだまだ今の状況では「現実的」ではないな と思います。(将来的にもっと技術が発展し、ノウハウが醸成されれば、可能性はあるかもしれませんが)
以上を踏まえると、小学校中学年(3年生くらい)から上の学年からは、もう「オンライン学習」中心の生活にしても、全く問題ないんだな、というのを実感してしまいました。
どこの学校でもオンラインで入学可能!?
そこで、パッと思い浮かんだことがありました。
「ということは、海外の学校でも、日本にいながらオンライン経由で入学して、学ぶことができるんじゃない!?」
正直、考え方として、だとか、理屈上だとかは可能だということを理解はしていて、実際に iTunes U やYoutubeの教育コンテンツ、スタディサプリ など、オンラインでの学習コンテンツは山のようにあります。ただ、所詮学校を補完する程度のものかな と思うところもありましたし、学校も今の姿をそう簡単に変えないだろうと思っていました。(日本でもオンラインで通える学校(N高 など)がありますが、まだ最先端の動きに過ぎないと思っていて、これが普通になるには時間かかるんだろうな と思っていました。
ただ、今回のコロナ騒動の中、数ヶ月間の「強制在宅モード」の中、オンライン学習を体験した児童や親が我が家も含め大勢増え、正直「これでいけるんじゃないか?」と、実感として気づいてしまった親は一気に増えたのではないかと思います。
日本にいながら一流の学校に留学できる日もすぐそこに。
と、なると、長男が通っているインターナショナルスクールの状況も今後大きく変わっていくのではないかと思いました。
現状を取り巻く環境から予想される近未来は、
・ しばらく、海外との人の行き来は限定され、以前のように戻るタイミングがいつになるか不明(早くて来年、または再来年?)
・ そこで日本に駐在する外国人家族が減少。インターナショナルスクールは学生集めに苦労する。
・ また、ワクチンが発明され、状況が落ち着くまでは、再度学校をクローズするような事態にもなりかねない可能性もある。
これは、日本のインターナショナルスクールだけでなく、海外のスクールでも同じような状況が起こっていると言えるでしょう。
そこで、そういう状況でも学校を安定的に運営していくためには、以下のような取り組みが始まるのではないかと思っています。
・ オンライン学習のみのプログラムができる。
・ 学校に行くのは限られた登校日のみ、または、全く行かない
・ 施設のない学校でも、新たに始めることが可能なので、新設の学校が出てきて、競争が激化する。
・ むしろ施設のある学校で生徒集めに苦労している学校は、閉校・他校との統廃合をする学校も出てくる可能性あり。
・ 居住国にいない学生(在外学生)でも入学可能とする。(日本であれば、時差がそれほど空いていないアジア諸国にあるインターナショナルスクールであれば、十分入学して参加することが可能。海外の学校にとっても、市場を広げられる機会になる。)
・ もちろん進学のための国際資格(IBやAPなど)も取得可能。オフラインで試験を受けなければいけないものは、地域ごとで試験を実施すればカバーできるのでは?
・ 部活は、オンラインでできるものはオンラインで、オフラインにならざるを得ないものは、その地域ごとでオンラインでインターに通う生徒が集まり、部活を行うというのもありかも。
そして、そういう状況になった場合、日本のインターも海外のスクールとの競争環境に晒されることになるため、様々な取り組みが求められることになるかと思います。日本人にとっても日本のインターナショナルスクールしか選択肢が無かった中で、日本にいながら海外のスクールも選択肢に入れられるとなると、プログラム・学費・将来の選択肢 などを考えながら、日本だけに拘らない学校選びが可能になります。また、学費の問題でインター教育を諦めていた家庭にとっても、選びうる選択肢が出てくる可能性も大いにあり得ます。
プリスクール=「海外への扉」を開けるための準備するところ!?
また、そういう意味では、各国にあるプリスクールの役割も変わってくるかと思います。特に日本のインターナショナルプリスクールは、こういう環境で子供たちが学ぶための機会を得るための「基礎体力」を身に着ける場になるのではないかと思います。
・ 語学の基礎(英語)
・ 学ぶ力・社会性の構築(読み書き、ソーシャルマナー)
・ ネット上でのマナー・コミュニケーションスキルの基礎の構築
これは、オンラインで行うのはまだまだ難しいので、オフラインで、実際に子供を預かって、という従来のスタイルを踏襲し、新しい時代に適応した形で子供たちの発達と成長を支援する場所として役割が増えていくのではないかな と思います。
そういう意味では、インターナショナルスクールがオンライン化が進む一方でプリスクール ならびに7−8歳程度までの低学年教育の部分に関しては、今後需要が出てくるかと思います。
オンライン学習を支援する補修校!?
そして、オンラインでの学習を円滑に進めるために、オンラインまたはオフラインで「補修校」いわゆる塾 に通うというケースも出てくるかと思います。
今、留学支援をしているような学校(キャタルやJーPREP)の役割として、学校に送り込むところまではありますが、それ以降の学校の勉強にしっかりついていくための支援というのもプラスされるかと思います。当然オンラインで学ぶ学生も増えれば、そこの市場も広がっていくでしょう。
おわりに
以上、妄想的なものも含め、つらつらと書いてしまいましたが、正直技術的には何年も前から実現可能なものでした。ただ、今回オンライン学習を経験し、本当に近いうちに実現する未来ではないか という実感も出てきました。
そういう意味で、今後「教育」分野は、ものすごくエキサイティングかつ、成長が見込める産業になると同時に、国際的な競争に晒される業界になりそうだという感覚も覚えました。
今は、保護者として、教育に関わっていますが、今後仕事としても教育に関わることができないか、上記の未来を想定しながら、考えられないか、検討し、動いてみようと思います。(実はすでに動いている案件はあるのですが、この新しい「現実」をベースに新しいことができないか考えてみます。)