第8回「映画『ヤクザと家族』観ました?」
みなさん、映画『ヤクザと家族 The Family』観ました?
本当は映画館で鑑賞したかったんですが、すっかり機会を逃し
先日、Netflixに入ってきたので早速、観たのですが…
いやー、面白かった!傑作です。
元々、任侠映画が好きで近年は『狐狼の血』なんかもすごく良かったのですが、また違った味わいでした。
この『ヤクかぞ』(かわいく略してみました)、前半と後半でテイストの異なる2部構成(見方によっては1部をさらに分けた3部構成ですが)となっておりまして…
※例によって「絶対にネタバレ踏みたくないマン」はここでメールを閉じてくださいw
前半は1990年〜2000年初頭の時代を背景にいわゆる「切った張った」「義理と人情」のヤクザノワールが描かれるのですが、後半は暴対法の締め付けが強化され、歯牙を奪われたヤクザ達が2019年を生きる物語となっています。
この後半における主人公ヤクザ(綾野剛)が、可哀想で可哀想で。ケータイも買えない。銀行口座持てない。人から奢ったり奢られたりもできない。と華やかなヤクザ生活から一転、「詰んだ人生」が切なさを誘います。
僕はこの映画を観終わって、なぜかとある漫画を連想しました。
それは『葬送のフリーレン』。
テイストは全く異なるのですが、描こうとしていることの起点が似ている気がしました。
「一番、華やかなりし頃を過ぎた主人公はどうやって生きていくんだろう」
というテーマです。
「魔王討伐という大目標を達成した勇者達」と「バブル経済を背景に栄華を極めたヤクザ達」。
目標のためにレベルを上げ続け、成果を出してきた人達が一転「御役御免」になってしまう。
漫画作品は連載を続けていかねばならないので、フリーレンに「新たな目標」や「上昇志向」を与えていますが
2時間で終わる映画では「哀愁」「切なさ」「滅びの美学」を描いています。
「任侠モノ」なんて、それこそ手垢がつきまくったジャンルですが、切り取り方や光の当て方で、こうも斬新な見応えにできるのか、と感心しました。
思えば『ファブル』も、こういった側面があるから面白いのかもしれません。
ちなみに僕が『ヤクかぞ』で一番好きだったのは、舘ひろしさん演じる、”親父”の「ごめんな…」のシーンです。なんか、泣いた。
今週は以上です☺️
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