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本業転換「既存事業に縛られた会社に未来はあるのか」 読書感想

初投稿、とりあえずこの前読んでた本の感想でも述べとく

本書は本業からの転換で生き残ってきた企業と、転換せず消えた企業or転換したが失敗した企業を比較し、成功と失敗の要因について分析している。

フィルム業界における富士フィルムとコダック、繊維業界の日清紡とカネボウといった大企業を例に挙げることで経営に無知な私でもわかりやすく理解することができた。

私がこの本から考えるに本業転換において最も大切なことは転換の時期だと思う。本業が不振に陥ってからの他業種への多角化は利益に結びつくまで時間がかかり、企業に残されているキャッシュを失うことになる。

本業転換に成功した企業の特徴は、既存の事業の衰退を早い段階で予測し、既存事業の利益でキャッシュが潤っているうちに新規事業への参入を決めていることだ。資金に余裕がある場合は利益に結びつくまで時間のかかる長期的な事業、商品開発を行うことが可能であり、企業に新たなノウハウをもたらす。

一方で長期的な新規事業の開発には5年後、10年後を見据えた経営を行う必要があり、株主や既存事業の従業員からの反対や批判が出るだろう。企業の将来ビジョンを株主、社員と共有し、理解を得れる強いリーダーシップを持つ人材が必要不可欠だ。

また本書では一度新規事業を始めてから現在の利益性の乏しさから新規事業の売却を行うケースも紹介されており、本業の不振を乗り切ることができない場合もある。新規事業を始める勇気だけでなく、継続する勇気も必要ではないか。

本書の内容とは少し異なるのだが、

本業転換の要点は中小企業に当てはまることができるのかについて考えてみたい。

本業転換の時期を中小企業に当てはまることは難しい。資金とヒトの問題がある。

本業転換をスムーズに行えるほどの資金力を持っている中小は少ないのではないか?また従業員の少ない企業では一人一人への負担が増え、新しいヒトを雇えばコストがかかる。

この辺りはまだまだ勉強不足なので、これから掘り下げて調べても面白いかもしれない。

〈参照〉本業転換 既存事業に縛られた会社に未来はあるのか 著山田英夫 手嶋友希 発行2019年 株式会社KADOKAWA





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