【創作SS】ライオンは起きている
朝、外に出て驚いた。
ほとんどの人が獅子を連れて歩いていた。犬の散歩のようにリードを付けているわけじゃないけど、ある獅子は隣で寄り添うように、また、ある獅子は家来のように後ろを歩いていた。
大きな獅子もいれば、可愛らしい子獅子もいる。獰猛そうなものもいれば、楽しそうなのもいる。
皆が普通に歩いているので、最初は驚いた僕も、落ち着いて様子を眺めることができた。他の人たちには見えていなさそうだった。
幻覚?、僕の頭がおかしくなったのだろうか。
ふと、足元を見ると、僕の傍にも可愛らしい獅子がいた。触ってみようとしたが、実体が無いようで、手に何の感触もなく、空を切った。
「あなたも、見えるのですね」
唐突に、中年の男性に声をかけられた。その視線は足元の獅子に向いていた。
「あなたにも、このライオンが見えるのですか」
質問に、質問で返してしまった。男は気を悪くする様子もなく、小さく頷いた。
「時々、お仲間を見ますよ」
「二人とも見えるということは、頭がおかしくなったわけではなさそうですね」
男は再び小さく頷き
「もしかしたら、ようやく気づき、見えるようになっただけかも知れません。
実は、他の方々も見えているけど、素知らぬ様子でいるのかもです」
時間は気になったが、確かめずにはいられなかった。
「こんな異常事態を受け入れてるんですか。ライオンたちが襲いかかってくるかもしれないですよ」
男は答えずに、目線を空に向けた。
釣られるようにして僕も空を見上げた。
空を覆いつくすような巨大な獅子が、目を爛々と輝かせ、牙を剥き口を開けていた。
なるほど、足元の獅子など、気にするだけ無駄なようだ。
僕は男に会釈して、いつもどおり職場に向かった。
(本文ここまで)
お読みいただき、ありがとうございました。
猫にPC入力の邪魔をされてばかりなので、「逆襲の猫ネタ」を書こうと思いまして、勢いで「獅子ネタ」になりました。
「この「獅子」とは何なのか」
自分でもわからないですが、何となく、おわかりいただけましたよね。
ということも考えています。
さて、「文学フリマ東京36」まで、1ケ月となりました。正直、準備らしい準備は進んでいません。他の方々がどのようにしているかわからないですが、私の場合は「文学フリマ」のために「自費出版の印刷製本」ということはなく、Amazonkindle出版している「紙書籍」を数冊、展示用に持参するつもりです。
正直、「本を売る」ことが目的ではなく「文学フリマというものに出店してみたいものだ」という、プロセスを楽しみたいと考えています。
ウイナーメーカーを目指す者として、
「勝利とはスタートラインに立つことである」
を体現できればなのです。売上とか利益じゃないのです。ちなみに、ウイナーメーカーというのは、私の造語です。
本は売れなくても良いし、私の人気やバズリも要らないですが、「ウイナーメーカー」という「勝ちでは無い価値」は、広がって欲しいと考えています。
「負ける方がいるから、勝つ人がいる。勝者を作るのは敗者」
負けを覚悟し、勝利を夢見て、挑戦した方の勇気を賞賛したい。
#かこに感謝し今を受け入れ未来を夢見て生きていく
#何を書いても最後は宣伝
負けを覚悟し勝利を夢見て、挑戦した方々の人間賛歌の物語がこちらです。
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ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
なお、福島太郎は「文学フリマ東京36(5月21日)、文学フリマ岩手(6月18日)、文学フリマ大阪11(9月10日)」に出店を予定しています。
遊びに来ていただけたら嬉しいです。
スプラウトを始め、紙書籍を何冊か持参予定ですが、余り多くは持ち込まないので「直接購入したい」という方は、ご連絡いただければ取り置きしておきます。(そんな方は、いないと思いますが)