成り損ないの魔法使い
拙著「元宮ワイナリー黎明奇譚」、諸般の事情により書籍化は遅れましたが、実は福島太郎としての「処女作」です。
「処女作にはその作家のすべてが詰まっている」との言葉がありますが、考えてみると、この作品の早い段階で登場する言葉が、福島太郎として活動する根幹のような気がします。
『魔法は使えないけど、タネと仕掛けさえあれば、魔法みたいなことはできるはず。
夢は見るものじゃない、叶えるもの。
失敗したところで、もともと無かった話が消えるだけ。ゼロで始まりゼロで終わる。
どれだけのタネと仕掛けを準備できるか。汗をかく価値はある。恥を掻くのもいい。
チャンスの神様が現れたのだから逃がす手はない。前髪しかないというチャンスの神様。一人で捕まえることは難しいかも知れないけど、皆で囲んで逃がしはしない。
できる限りのこと、動いてみますか』
この場面、かなりのお気に入りです。この主人公の言葉に励まされるようにして考えます。
ここで言う「仕掛け」という言葉を私の理解としては「知識と経験」を主として「縁とか恩とか時間とか労力」なども入るのかと考えています。
また、私のタネは「noteの記事」であり「kindle出版」した作品たちになります。
自分の作品が、多くの方に読んでいただけるという「魔法」みたいなことはできていませんが、まだ、実現できていないけど、可能性は0じゃないとも考えています。
そして、引用したセリフの終盤に出てくる「チャンスの神様」について考えてみると、
「チャンスの神様は、諦めない人間の前に現れるのでは」
とも考えるようになりました。
才もなく能もコネもない、だけど「未来を諦めない」という意志だけを武器に、いつか「魔法みたいなこと」が実現できるよう修行に励もうと考えています。
この3年で、noteの投稿とkindle出版した「タネ」はそれなりに揃いましたので、これからは「仕掛け」を増やしていくことを考えています。その仕掛けとして たらはかに(田原にか)さんの「毎週ショートショート」やnoteの募集記事や「文学フリマ」ということを想定しています。
実は、「元宮ワイナリー黎明奇譚」を発刊した後、福島太郎としての活動は終えようかとも思いました。もともとは「公タマ伝」を発刊するために生まれた福島太郎でしたので、役割を終えたところで消えるのも有かと考えたのです。ところが、新しく生まれた物語の主人公に問いかけられました。
私たちはまだ生きているんですから、ここからでも何かを生み出せると思いませんか。
そのために、私は何ができるのか、何をしなければならないのか。ハードルは高いかもだけど、上手くいく保証はないけれど。大事なことは、これからどうしていくかです。
こちらの本です。
12年前、突然、生きることを突然奪われた方々がいました。
それは、いつ、誰に起きるかわかりません。
だけど、だから、
『私たちはまだ生きているんですから、ここからでも何かを生み出せると思いませんか』
成り損ないの魔法使いは、未来を諦めずにあがき続けます。
最後までお読みいただきありがとうございました。
福島太郎は「文学フリマ東京36(5月21日)、文学フリマ大阪11(9月10日)」に出店を予定しています。
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