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膵臓が壊れた39歳が「糖尿病」になった話

こんにちは、膵臓の3分の2壊死男です。普段はわかりやすさとポップさを重視して「膵なし」と自称しているのですが、本日は正確な膵臓の壊れ具合を伝えさせていただきます。というのは先日、私が「糖尿病」であることが明らかになったからです。


なぜ糖尿病になったか

簡単に経緯を説明しておきますと、私は37歳のとき、酒の飲みすぎがたたって重症急性膵炎という病気になり4カ月半の入院をしました。その際、膵臓の3分の2が壊死し、退院後は残った3分の1の純情な膵臓だけを頼りにがんばって暮らしていました。

膵臓の機能がちょっとは残っていたおかげで昨年の健康診断はギリ正常値の範囲でした。よかった、と思いました。ところが今年も健康診断に行ったら糖尿に関する数値が一時期の仮想通貨くらい爆上がりしていました。

マジか、と思いながら病院に行ったら「この数値は最近1000人くらい診た中でも金メダルの数値だ。おったまげた。なんでそんな元気そうなの?」と言われました。膵臓がオシャカになってまんねん、ということを伝えると、先生は「うーむ、どうしたものか」と悩んでいます。ここにきていよいよ、「えっ、そんなヤバいん?」と焦る僕。

ただ、そもそも重症急性膵炎という病気自体が生き残っても2年以内に8割くらいが膵機能障害などを理由に病院にかかるという話も聞きました。僕はむしろ約2年間、なんの薬や制約もなしに過ごせてよかったほうなのかもしれません。

そもそも糖尿病ってなんなん?

膵臓は消化に関する液やホルモンを作っている臓器です。膵臓くん工場の作るホルモンのひとつが、血糖値を適切な状態に下げる「インスリン」。これが足りないと血中の糖がどんどん増えてあふれてしまい、とうとうションベンまで甘ったるくなってしまいます。言われてみればここ最近、ションベンしたときに「なんかクッキーみたいな匂いするな」と感じることがありました。

こちらは僕の実際の検査結果です。基準値をいっぱい突き抜けていますね。お医者さんは「ヘモグロビンA1cの数値に30足したものを自分の体温だと考えるとヤバさがイメージしやすいよ」と教えてくれました。13.4+30なので、僕は今43.4度の熱が出ているくらいの状態だそうです。死ぬじゃんねえ!

普通、このくらいの数値の患者さんだと見るからにヘロヘロで、「やたら喉が渇く」「頻尿になり夜中に何度もトイレに行く」「体重が激減する」などの症状が出るそうです。確かに僕もよくお茶を飲んだり結構飯食ってるわりには体重が増えないとかはあったんですが、お医者さん的には「なぜそんなに普通にしていられるんだ……?」という感じで不思議がられました。そんな病人の異世界転生みたいな扱いされても困る。

糖尿病の種類と「膵性糖尿病」

糖尿病にはいくつか種類があり、インスリンが作れなくなる「1型糖尿病」、遺伝や食べ過ぎなどの生活習慣の影響でインスリンが出にくくなる「2型糖尿病」などがあります。超ざっくり分けると、「2型糖尿病」は食事をちゃんとして運動して痩せればなんとかなる(こともある)けど、「1型糖尿病」の場合はインスリン注射が必須となります。

僕の場合は膵臓の疾患に伴ってインスリンの分泌が減ってしまう「膵性糖尿病」の可能性が高いそうです。わりと珍しい症例らしい。重症急性膵炎のときも「お前ほど重い症状で生き残るケースは前例がない」と言われたので、また俺なんかやっちゃいました?という気分です。

「膵性糖尿病」も症状などは「1型糖尿病」に近いそうです。糖尿病はションベンが甘いことそのものが問題というよりは、血糖値が高い状態が続くことで失明、足の神経麻痺(最悪の場合は切断)、腎不全、脳梗塞や心筋梗塞などのリスクが上がり、免疫力の低下によって風邪やケガも深刻化しやすくなるそうです。マヌーサとルカニとマホトーンとディバインスペルいっぺんにくらってザコのワンパンでも死にやすくなるみたいな感じでしょうか。お医者さんは、本来なら即日インスリン注射を始めるようなケース、というか命に関わることもある、と言っていました。

どんな治療するの?

ただ、僕の場合は数値のわりに元気に生活できていることや膵臓の機能が多少残っていることを考慮して、まずは内服薬での治療から始めることになりました。まずはおしっこから余分な糖をたくさん排出する「フォシーガ錠」という薬を飲みます。脱水状態にならないよう水やお茶をたくさん飲んだほうがいいそうです。体内のヒルを出すためにビール飲みまくったウボォーギンみたいな治療。

通常の体はインスリンによってブドウ糖をエネルギーに変えるんですが、それらが足りないと体が脂肪を分解してエネルギーを得ようとして体が酸性になり、そうすると具合が悪くなったりすることもあるようです。「1型糖尿病」の場合は体内でインスリンを作ることができないので、フォシーガ錠とインスリン注射をセットで使うんですが、僕の場合は膵臓がちょっとあるのでフォシーガ錠だけ飲みます。薬で血糖値を下げて膵臓の負担を減らし、自力でインスリンをまかなえる状態に持ってけたらいいな、ということのようです。多分。(わりと自己理解なので間違ってたらすみません)

重症急性膵炎以降の禁酒生活にも慣れてきて、最近はご飯を大盛りで食べたり、おやつにおせんべいやクッキーを食べるのを小さな喜びとしていましたが、そういうのも全部やめることになりました。一番やばいのはジュースなどの甘い飲み物だそうです(速攻で吸収されて血糖になる)。そのへんは元々お水やお茶のほうが好きな人間なのでまだよかった。いや、全然よくはないが。

亡くなった祖母も糖尿病で大変そうだったので、子どものころ「あんなんなったらやだなあ」と思ってましたが、思ったより早く自分もそうなりました。だいぶ気が滅入りますが、こうなっちゃったものはしょうがない。ジジイのベータテストに当選したと思って先行プレイでライバルに差をつけようと思います。人生とは失うことと見つけたり。39歳からの糖尿病生活、スタートします。

僕があんまり落ち込んでいるので妻が最後のクリスマスケーキだけは食べさせてくれました

※だいぶ勢いで書いたので病気に関する記述は色々間違っているかもしれません。そのへんは随時追記修正します。

以下は糖尿病がわかった前後の素朴な心境。またの名を弱音と言いますが、現在の気持ちを書き残しておきます。

賽の河原と「地獄でなぜ悪い」の精神

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