No.056 ミステリクイズ


問題文

駅前のベンチに小学生低学年ぐらいの少女が一人泣いているのを見つけた。
何だか放っておけなく、まだイベントまで時間があるので、私はその子に話しかける。

私「どうして泣いてるの?」

少女はゆっくりと話し始めた。
内容はこうだ。
母親へのサプライズのために、母親の好きなお菓子が売っている店に買い物に行こうとしたが見つからなかったらしい。
道行く人に見せの名前を言ってもそんな名前の店は知らないと言われ、途方に暮れていた。

私 「その店は本当にこの近くにあるの?」
少女「うん。前に車でお母さんと行った時の帰りに、この駅が見えたもん」
私 「ちなみにお店の名前は何ていうの?」
少女「”やつみ” 。お店の看板に書いてあった。お姉ちゃん、知らない?」
私 「ごめん。私、今日初めてここに来たから」

私はとりあえずスマホのアプリで周辺に”やつみ”という店があるか調べる。
そんな名前の店はなかった。
もしかして読み方がちがうのかな?
少女が間違えた呼び方をしている可能性もある。

私 「お店の名前の漢字とか、覚えてる?」
少女「わかんない。私、まだ漢字、習ってないの」

もしかして店、潰れちゃったとか? だから調べても出てこない?
それ以外の考えが今のところ浮かばない。
う~ん、どうするべきか?
乗りかかった舟だ、なんとかしてあげたい。

私 「ねえ、他のお店じゃダメかな」
少女「その店のおまんじゅうじゃなきゃだめ!」

少女は今にもまた泣きそうな顔を見せる。
あれ、もしかして……私はスマホでふと思いついたアイデアを試す。
ビンゴ! 
少女の探していた、”やつみ”は見つかった。


さて、どうやって私はお店を見つけたのでしょうか?



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ヒント

・その店の名前は本当に”やつみ”なのでしょうか?
・少女は母親に饅頭を買いたいと言いました。これより少女の探している店は和菓子店の可能性が高いです。


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解説

まず少女は漢字が読めません。
一方で、少女は店の看板から、店の名前を”やつみ”だと思いました。
以上より、店の看板はひらがなで書かれていた可能性が高いと思われます。

次に少女は店で饅頭を買いたいと言いました。
これより ”やつみ” は和菓子店である可能性が高いです。

スマホで調べても ”やつみ” という名前の店は見つからなかったことから、少女の読み方は間違っていることが示唆されます。

ではどう間違えたのか?
漢字ならまだしも、ひらがなでは読み方の間違えようがありません。
となると、読む向きを間違えたと考えるのが自然です。
ここで ”やつみ” は和菓子店であることがカギになります。
少女は下の図のような看板を見たと考えられます。

少女の見た看板

老舗の和菓子店などでは今でも右から左へ読む看板が存在します。
今回もそのケースで、店の本当の名前は ”やつみ” ではなく ”みつや” でした。
私はそのことに気が付き、スマホで検索し、見事に店を発見したのでした。

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