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9・11追記 後編 9月FOMCでの利下げ幅はどうなるか?

中立金利はリアルタイムで測定することは不可能とされています。少し前のデータで3月に発表された金融当局者の経済見通しでは推定値のレンジは2.4ー3.8%だったようです。

中立金利を考えればここから2−3%を一年以上かけて引き下げられていくのでしょう。ここで懸念されているのがインフレ再燃です。前回のインフレ率は2.9%と予想を下まわり目標の2%に近づいたわけですが、依然目標より高く、コアは3%を越えている事、更に雇用面で指標が冷え込んでいるとはいえ、Fedは米国の長期での失業率を 4.0%とみなしており、NAIRU (インフレ率を加速させずに維持できる 失業率の下限)の水準の特定は難しいが4.4%程度だと見ると、先週末発表の雇用統計での失業率4.2%は特段悪い数字とは考えられません。他の経済指標の冷え込みや継続的な悪化を考えると緩和へのゴーサインが出るのも頷けます。

昨今サームルールというものを耳にする機会もあると思います。それは失業率の過去3ヶ月平均がそれに先立つ12ヶ月間の最低値よりも+0.5ポイント以上上昇すれば景気後退がはじまっているというものです。こちらからみても現状、丁度ボーダーラインにいるかと思います。

過去に大幅な利下げの時は明らかに景気に問題がある時だったと記憶しています。FRBが景気の軟着陸がまだ成功するのではと考えているとしたら25bの利下げに留まるのではないかと考えています。50bp下げの場合は予防的にと強調してアナウンスするというシナリオも考えられますが。

いずれにしても、今回のFRBの決断が株価含め、景気全体に影響を与える予感がします。


9/11追記

本日米CPI発表後Fedwatchでは−25bpが85%になりました。−50bpは15%となり、ジョブレスや小売の指標は残っているもののサプライズがなければほぼ-25bpになると思います。ブラックアウト期間でFRB高官からの発言はありませんのでここからの手掛かりは得られませんが、折り込み度合いを考えてもパウエル議長の発言次第になりそうですね。

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