図書館で思う どっちでもいいこと
図書館は居てもいいところ、その空間の中にいるとホッとする。
そこに行くとだいたい最初に「本日返ってきた本」や「今なら貸出できる本(よその図書館所蔵)」の本を眺めている。どれを手に取ろうか迷う。
そこには返却されたばかりのどなたかの興味で取り寄せしたであろう本や、わりと新しめの本が並んでいる。私はそれに影響されがち。
そこにいると横に真剣な眼差しの人が立つときがある。じりじりと接近してくるので勝手な焦りを感じてしまう。私はさっと気になる本を手に取り場所をゆずる。もしくは接近者に先手を取られている。ありがちな光景と思う。
たまにそこに並ぶ本を次々とカゴに入れ素早く貸出カウンターに向かい借りていく強者がいる。借りられるのは10冊までだからきっと上限まで借りたのかもしれない。
ここの図書館はこじんまりなので大きな図書館のように選べる自由は少ない。「新着コーナー」には過去の新着本が薄いファイルに綴られひっそり置かれている。ここの図書館の新着数冊と一緒に。
もし読みたい本があってないのならカウンターまたはネット検索で予約して取り寄せとなる。こだわりがないなら誰かが取り寄せして返ってきたばかりの本を借りるといい気がする。どなたかのおすすめに触れられたようで。私には目の前の一期一会で十分。
手に取った本は近くの小さな丸椅子に腰かけパラパラ読む。そのうち同じ姿勢を続けているのはつらいので移動する。広くはない館内に長居しても怪しまれることはない。時間はあっという間に過ぎるので窓辺がいい。日暮れになってしまうから。
小学生の頃、学校の図書館で『モモ/ミヒャエル・エンデ』を借りて夢中になって読んだことがある。それには時間泥棒が出てきたと思う。もう内容は忘れてしまったけれど、たまにその本を本屋さんで見かけるとまた読んでみたいような気になる。図書館でそれ借りてみようと思うけれど、いつも忘れているので読む日が来ないままだ…。
忘れるか忘れないか、右に行くのか左に行くのかのような、読むか読まないか、どっちもいいようなことをあれこれ書いてしまった。
選択みたいな連続。