うつ病という状態異常に関する考察

学生時代うつ病になって苦しんだ経験がある。そのことを踏まえて一般的に言われるものとちょっと違う視点でうつ病というものを書いてみようと思う。

うつ病とは心の風邪とよくいうけども、風邪という表現は適当であって適切でないと思う。

まず、うつ状態になるとどうなるかというと意欲と行動力と回復力がなくなり視野が狭くなる。

意欲と行動力と回復力とはなんぞやと言いますと、ゲーム的に例えた方がわかりやすいと思うので例え話をすると、行動力がHP。意欲はパッシブスキルで消費行動力減少ですね。回復力は文字通り行動力を回復する力です。

興味関心があるものって嫌なことと比較して疲労の感じ方が違うんですよね。ここが、また周りから見た場合のサボりとかそういう見られ方に繋がると思うわけですよ。よく言われる遊びには行けるのに仕事は出来ないんだねとか。

人間は動物なので、基本的にはじっとしていることが苦手だと思う。なにより生を繋ぐには動かないと維持が出来ないから尚更。元気な時は意欲もあるし、HPもあるし回復力もあるわけだから

例えば最大HPが50として、仕事の消費が10、家事が10、遊びが2として消費22HPでも残りHP28あるから元気なわけです。回復力もあるからある程度休めばまたHPが50に戻るんですよ。

これがうつ病になると元気がなくなるので最大HPが30になったうえでパッシブが効かなくなるから仕事の消費が15、家事が15、遊びが3とかそんな感じになります。回復力も落ちるから休んでもなかなか戻りません。もう余裕が一切ないんですよね。これが鬱という状態異常状態です。

上記は例え話なので、人によっては仕事は大丈夫だけど家事がダメとか遊びは無理だけど家事は大丈夫とか色々パターンはあると思う。

要は自分にとって負担と感じにくいものはこなすHPはあるが、他のものはより負担に感じて段々と行動不能になるのである。

次に視野が狭くなるというのは俗に言う真面目なタイプほど陥るのだけれども、とにかくなんでも「こうあるべき」というものに囚われて現状とのギャップで勝手に苦しんでしまう。

なんでみんなが出来ることが出来ないんだろう、なんで寝ることすら出来ないんだろう、なのに遊ぶのは大丈夫とかクソだろetc

とにかく自分の中の「普通」に並々ならぬ拘りを持ってしまって精神的、肉体的な自傷に走ってしまう。その苦しみが一定ラインを超えた時に自死を選んでしまうのだと思う。

これの厄介なところが視野狭窄しているので他所に解決を求めるのだけれども、他所には解決出来ないことですね。と言うのも自分でその縛りを作っているから他人の優しい言葉も否定してしまうのですよ。欲しいけど、受け入れられないという矛盾を抱えるわけ。また、受け入れることが出来たとしてもそれが絶対的になるから依存してしまう。他人がある種の痛み止めの麻薬になるからドンドンのめり込む。のめり込むから相手の負担が増える。そうすると相手が逃げ出すこともあってそれで余計メンタルがやられる。結果的に試し行為という地獄の入り口に立つわけです。

以前の経験から臆病になって、相手がどれくらいなら逃げ出さないか攻撃を始めるのです。そして、逃げ出したらやっぱり口ばっかり嘘つきと自分がより一層傷つく。試し行為って相手が逃げ出すまで試すから絶対に自分の満足のいく結果にならないんですよね。

つまり、自分の認識を変えれば解決することを他に求めるから益々ドツボに嵌ることになる。

薬もとにかく自死を防ぐ方向に特化しているというか、意欲をドンドン削って廃人のようにして死なないような出し方をするお医者さんも結構いると思う。

というのも、私が通院している間に減薬することはなく増えてばかりだったから。元気になるならば薬は不要になるはずなのに通院して薬の量が増えるならば、むしろ通院前より悪化しているんだよ。当たり前のように次はアレはと薬を試すけど、薬が置き換わるならわかるけど追加ならば間違いなく悪くなってる。当たり前のように増える薬には違和感もったほうがいい。

と、話がちょいと逸れたけどそういった状態であるから、こればっかりはなってみないとわからないけど、周囲の人はうつ状態の人が好きなことしかやっていないんじゃなくて出来ることがそれだけって認識を持ってもらえれば幸いだし、うつ状態の人は現状で無理なんだと諦めるんじゃなくて解決の方向に向ければいいなと思う。開き直ってしょうがないって免罪符にしてしまうとうつ状態の人もそうでない人も不幸になるから。

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