見出し画像

150gの蜂蜜を12000円で売る方法。【スモールビジネス向け 高級ブランディング】

こんにちは。地中海マルタの高級蜂蜜を販売している山田崇弘です。

マルタにて。代表の山田。


私のブランド「ブルーハニー」では150gのハチミツを12000円(税込)で販売しております。毎月コンスタントに売れており、一人で運営していますがそれほど負担なく安定した利益を得ることができています。

ラベルデザインは最近ワイン風に変更しました。

ホームページはこちら。質問などはb.honey.official@gmail.comまで。

クラウドファンディングでも60万円ほど集めることもできました。
ページはこちら

このnoteでは私が実際に使用したブランディングのテクニック・心構えを紹介します。かなり実践的な内容となっております。
色々な本を読み漁り、試行錯誤し、自分流にアレンジしてみました。実際に私のブランドにどう適応させているかもお伝えします。

もちろん全ての事業者・商材に適応できるわけではありません。また私の感覚的な部分(デザイン・ネーミングなど)も多く含まれているので「それは違うのでは?」と思う部分もあるかと思いますが、その辺りは皆さん流にアレンジしていただければと思います。

またここで記載する小手先のテクニックを使用しても最終的には”お客様にどう思っていただけるか”につきます。ブランドは「お客様に育ててもらうもの」なので、そこは勘違いしない方がいいです。あくまでも最低限これをやっとくと良いのでは?くらいに思っていただけると幸いです。

私と同じような少人数で運営且つ商品数の少ない小規模事業者もしくはこれから起業してなにか事業をやってみたいという人を想定して書いています。

まず前提となる心構えですが・・、

小規模事業者が高級路線で起業するのであれば万人受けは狙わない方が良いでしょう。万人受けするものはコンビニがやってくれています。そこに勝負を挑んでも無意味です。勝ち目はありません。むしろ大半の人には分かってもらえないが、一部のブランドを好きになってくれる人にだけ販売できれば良いのです。9割の人には理解してもらえない、好きになってもらえない、そのくらい批判を受けるような尖ったものでないと小規模事業者が生き残るのは難しいと思います。

誰にも嫌われないということは誰からも好かれないということなのです。

それでは実際に扱う商材を選びましょう!


①商材選定

商材に関しては何でもいいのですが、元々の希少性が高いものを見つけてこれるとベストです。私の場合は地中海マルタまで実際に飛び、いくつか養蜂場を回った上で、希少且つ美味しい蜂蜜をみつけました。

実際に養蜂場まで行って契約をとりつけてきました笑

ただこれはなかなかハードルが高いと思うので、まずは自分の興味のあるもの、好きなものを選んで、素敵なエピソードを添えられるといいと思います。

例えば「生産量が限られていて〜」「地元で愛される○○」「売上の一部を○○に寄付しています」「知る人ぞ知る○○」「○○金賞受賞」「○○御用達」「栄養価の高い◯◯」など。

ブルーハニーにおいては
・年間収穫量が非常に少ないレアで美味しい蜂蜜。春・夏・秋で味が全然違う。
・ポリフェノールや各種ビタミンが非常に豊富
・絶滅危惧種のマルチーズハニービーが作る濃厚で美味しいはちみつ。売上の一部を養蜂場に寄付(SDGsアピール)
・夏蜂蜜がロンドンハニーアワード金賞受賞
・マルタの大統領が公式の贈答品として使用している
・マルタとはギリシャ語で「はちみつ」。古代から美味しいハチミツとして有名
etc

もし輸入品を扱うのであれば国のイメージも大事にしたいです。北朝鮮産や中国産の◯◯とかやっぱり嫌ですもんね・・。どうしても国のイメージの良し悪しが価格や購買意欲にも響いてきます。この記事を書いている2022年5月で言うとロシア産は良いイメージありませんし、逆にウクライナ産は応援購入したくなります。(まぁそもそもロシア産・ウクライナ産の商品は今手に入りづらいとは思いますが。)

日本人は北欧やヨーロッパの製品が好きな人が多いのでそのあたりは狙い目です。

もしここでそんなものは見つけられないと思っても大丈夫です。中身のものが大してレアではなく、普通のものだとしても次以降にあげるデザイン(ロゴやパッケージ)、販売戦略によっては高価格帯で販売することは十分可能です。


②デザイン全般について


ズバリ!シンプルにしましょう!店舗、ホームページ、商品全てにおいてです!

ごちゃごちゃしているものに対して私たちは雑多な感覚を持ってしまいどうしても安っぽく見てしまいます。店で言うならドンキホーテ、ホームページで言うなら楽天市場をイメージするとわかりやすいかもしれません。

美しく高級に見せたいなら余計なものは削り、シンプルにしましょう。
私はブルーハニーのブランドでも余白をかなり意識しています。

またホームページについてはshopifyを使用するのがおすすめです。シンプルでお洒落なサイトが出来上がります。テーマはdawnを使用しています。

次にネーミングについて話します。


③ネーミング選定

ブランド名もしくは商品名の長さは非常に重要です。基本的に人は長ったらしい名前が好きではありませんし、何より覚えてもらえません。極力短くアルファベットに換算して10文字以内には抑えると良いかと思います。

「ラ行」を入れるというのは結果論です。これは少し私の感覚的なものになりますが、世界に名だたる高級ブランド品をあげてみると「ラ行」が含まれていることが多いという事実に気づきます。ルイヴィトンとかロレックスとかですね。今からブランド名・商品名を考える場合「ラ行」の文字が含まれている方が洗練されたお洒落な響きになりますのでおすすめです。

子音を入れるというのは高級感を出すというわけではなく、単に耳障りのいい音にするためです。


④フォント選定

フォント選びも非常に重要です。ここで下手にPOPな雰囲気のフォントを選んだりするとイメージがガラッと変わってしまいます。安っぽく見えてしまいます。

特に有名どころのTRAJANやCenturyなどがおすすめです。またなるべく細い文字の方が美しく見えます。


⑤ブランドロゴ・カラー選定

カラーについて手っ取り早く高級感をだしたいなら黒と金がベストです。世界各国いずれの国においても高級と思ってもらえます。上記の高級チョコ「GODIVA」とかをイメージしてください。

ブルーハニーとしては黒は「地中海の蜂蜜」というイメージ的に使いたくありませんでした。黄色の部分は金色にしてもよかったのですが、資材(箱やシール)を作る際に値段がかなり上がってしまうため今のところ黄色になっています。創業当初は色々と金額抑えたいですからね。黄色はどちらかといえば安いイメージがありますが、実際にこのデザインで購入していただけているのでしばらくはこのままにしておくつもりです。今後もしかしたら金色になっているかもしれません。

ブルーハニーのロゴデザインに関してはかなり悩みましたが、極力シンプルになるよう仕上げました。私のイメージ的に「アップル+ブルーボトルコーヒー+地中海の青っぽさ+プーさんの壺」をごちゃごちゃ考えていたらこうなりました。ロゴに関してはそれを一眼見ただけで(要するにブランドネームの文字がなくても)判別できるように心がけるといいです。これもあくまで私の感覚的なものですが、例えばアップルのロゴは一眼見ただけで「リンゴだ!」→「アップル」と連想できます。恐ろしくシンプルで洗練されています。美しく高級感を感じます。

以下の画像はインターブランドの日本企業ベスト100というランキングですが、HONDAやSONYのように図柄でなく文字で表されるロゴがかなり多いということに気づきます。完全に図柄だけというのは95位のクロネコヤマトくらいです。
言語化が難しいのですが、文字のみで表現するのは少し野暮ったい気がするのです。

対してこちらが同じくインターブランドの世界版ランキングです。文字ロゴも多いですが、イケてる企業であるアップルやインスタグラム、ナイキ、スタバなどはいずれもイラストロゴとなっています。

ロゴに関しては好みもありますが、今後世界にも販売していきたいと思う場合文字ロゴよりもシンプルなイラストロゴの方が印象に残ると思うのでおすすめです。

私はロゴデザイン作るの好きなのでイラストレーターでデザインしましたが、このあたりは外部の方に外注して色々案を出してもらうのもいいかもしれません。実は複雑なデザインというのは作りやすく、シンプルなデザインってとっても難しいんです。いらない部分を削ぎ落としてどうイラストで表現するかというのを考える必要があるからです。

ロゴのデザインに関しては私に依頼してもらっても大丈夫です。
b.honey.official@gmail.com


⑥差別化を狙いすぎない。

逆説的な話になるかもしれませんが、差別化を狙いすぎるとドツボにハマることがあります。これは極端な例かもしれませんが、SHARPのマイナスイオン発生機能付きコピー機をご存知でしょうか?

とりあえず良いモノ同士合体させときゃ良いだろ感が出ています。やりたいことは分からなくもないですけど・・変ですよね。SHARP社内のプリンター部門と空気清浄機部門がタッグを組んで他社製品との差別化を狙ったのかな?と思いますが、とても奇妙な感じがします。

「差別化」というのはお客様ではなくライバル企業を見て行うものなので、その製品は本質的にお客様から求められていない可能性があるのです。このようなことにならないよう差別化を過剰に意識することはせず、人気商品のマイナーチェンジなどを狙うのが得策だと思います。お客様の望む物を提案するよう心がけましょう!


ここから先は

1,943字 / 7画像

¥ 980

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?