雨の日の下駄箱。 短編小説。
突然の夕立に学生は困る。
カバンを頭にかかえ雨避けにしながら走って帰るか、雨がやむのを待つのか、折り畳み傘を常に持っているかにわかれる。
突然の夕立は雨量が多い。折り畳み傘を持っていてるが雨が弱まるのを待つことにした。
急いで帰る人多いな。
すると、ためらうこともなくカバンを雨避けにすることなく、晴れてる日のようにスッと歩き始めた女性がいた。
待って!田村さん!
「何かしら」
雨だよ!雨!気づいてないの?
「傘持ってないから」
少し待てば?雨、やむかもよ。
「いつ頃やむの?」
それはわからないけど。
「なら、帰ります」
待って!この後急ぎの用事あるの?
「特にないけど待ってても暇なので」
僕、折り畳み傘あるから使って。
「あなたは使わないの?」
僕は雨がやむのを待ってるから。
「なら使ってもいいかしら?」
どうぞ。
「ありがとう」
田村さんは折り畳み傘を広げ少し歩くと、突然の突風で折り畳み傘は壊れてしまった。
すると田村さんは戻ってきた。
「ごめんなさい。あなたの折り畳み傘壊れてしまって」
あの風だと壊れるよ。大丈夫。
それにほら晴れてきたよ。
「晴れてきましたね」
「あの、折り畳み傘買って帰りませんか?」
ん?ああこれ。そんなに壊れてないから新しいの買わなくても大丈夫だよ。
それにこうすればまだ使えるから。
天気は晴れ。
ひとつの壊れた折り畳み傘をふたりが使いながら歩いていた。
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