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【映画】『きみの色』が思った感じと全然違った話

今日も映画の話をひとつ。
漫画とアニメが好きだから、結局アニメ映画を観にいくことが多い。
そして私は山田尚子監督が好き。
ということで先月公開早々にこちらも観にいきました。

シリーズ物でない限り、わたしはあまり予習せずに観る方が好きです。映画を観ながら次はどうなるだろう、この人とこの人の関係性って何?と考えながら観るのが好きです。
ということで、本作は予告もほとんど見ず、メインビジュアルとキャッチコピーだけで判断。
とりあえず山田監督の音楽映画ならおもしろいだろう。という理由で観ました。

そうそう、アニメーションはSARUという情報だけは知ってました。
『平家物語』でたしか山田監督とは一度タッグを組んでいましたよね。
実はあんまり個人的には好きな絵のタッチではない。
あまりにもオシャレすぎるというか、ぬるぬるし過ぎていると言うか。
でもファンはとっても多いですよね。

開始1分、主人公の少女の瞳のアップから始まります。
ここでSARUだ!と感じられる絵の滑らかさを感じました。でも、舞台が今回は普通の学校ということもあってか、必要以上にオーバーなアニメーション演出は見られず、違和感なく観る事ができました。

登場人物もメインの3人以外はほぼいないというくらいシンプルな構成。
ガッキー演じるシスターもいましたが、それほど深くストーリーには関わってきません。
メイン3人も一様にゆるい雰囲気で、映画全体もスローに進んでいき、なんだか眠くなりました(いい意味で)

そして主人公が作詞作曲した『水金地火木土天アーメン』がなんとも頭に残りますね。軽快なリズムで思わず口ずさみたくなります。余計な恋愛描写もないし、ただ真摯に音楽と向き合いながら自分を探す彼らの姿が眩しかったです。

そして何といっても驚いたのはテルミン。そこ!?ってなりました。
一体どういういきさつで高校生がバンド演奏する楽器にテルミンを選ぶのか。これは面白い発想でした。

そしていざ学園ライブ当日。初めて3人がきちんと一緒に演奏する姿が見れます。
テクノ!!?ここでもまた驚かされました。
一体どういういきさつで高校生がバンド演奏するのにテクノを選ぶんだ。今の今までそんな描写なかったやないかい。とあんぐりしました。

誰もテルミンにもテクノにも突っ込まない。優しい世界なんだなここは。
と思いながら観ておりました。

私は山田監督と言えばやはり『けいおん!』から入った身なのですが、そんなわちゃわちゃ、最後はホロリ感動を期待していたもので、本作はちょっとそれとは異なりました。

全体を通して悪いやつは誰も出ない、みんな優しくほっこりしていて、これは癒しの映画だな。いい映画だな。と素直に思える素敵な作品でした。


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