【書評】あなたの人生の物語

テッド・チャン作『あなたの人生の物語』を読んだ。

物理学の変分原理(作品ではフェルマーの変分原理が扱われる)に着想を得て書かれた作品だというのが非常に興味深い。目的論的な言語を取得したことによって、未来が見えるようになってしまった女性の話。まだ見ぬ娘の未来の物語は、温かくもありながら、結末を知っているが故に悲しみに満ち溢れている。

格別に面白いと思ったわけではないが、どこかこの作品に惹かれるところがある。キューブリックの映画作品のような…

あらかじめ知り合いに結末を知らされた上で読んだため、「未来がわかる」というストーリーの内容を反復する結果になったのは、なんとも言えず面白い。

(ReadHubより)

いいなと思ったら応援しよう!