シュレディンガー方程式について何となく知りたい人集合。
シュレディンガー方程式。
それは、ちょーーーちっちゃい粒が「ここにいるよ!」とか「もうちょっとでここつく!」とか「こんなエネルギー秘めてます!」ってのを教えてくれる式。
でも、運悪くて信号めっちゃ引っ掛かったり、途中でたまたま同級生に会っておしゃべりするかもしれへんから、あくまでもこんな確率が高いって前提で教えます!
(かみ砕いたらこんな感じ、、、?)
シュレディンガー方程式って名前は聞いたことあるけど、結局なになん?
そういう方も多いと思います。私がそうでした。
最近、竹内淳さんの『高校数学でわかるシュレディンガー方程式』という本を読んだので、アウトプットを兼ねて簡単にまとめてみます!
始めにシュレディンガー方程式を求めるまでの過程をすんなり導いてくれて、そこから現在の量子力学に至るまでの歴史をわかりやすく解説されている本なので、ぜひ読んでみてください!
シュレディンガー方程式の目的
分かりやすさ重視で簡潔に要約します。
そもそも量子とは
代表例として、光子や電子があります。
光や電気を考える上で、その大元になるちっちゃい粒という理解で大丈夫だと思います!
(素粒子とか…は興味が出たら!)
量子の物理量が分かります!
特に電子に関する物理量を求められます。
つまり、量子のある位置・時間、持っている運動量・エネルギーを示せるようになっちゃいます。
何の役に立つの?
量子について研究する、量子力学という学問があります。
この学問が発展したのは、シュレディンガー方程式のおかげといっても過言ではないです。量子を式で記述できる、しかも簡単に。
量子には様々な特徴があり、その一つにスピンという現象があります。
これを用いたのが昨今話題の「量子コンピュータ」。現在最強のパソコンでも解くのに1億年以上かかる暗号を、たったの数秒で解いちゃう可能性を秘めています。
今まで考えもしなかったようなことを実現できちゃうかもしれないのが量子の魅力。量子力学は、これからの科学的発展のために必要不可欠なのです。
それを影で支えているのがシュレディンガー方程式。すごい。
波を表す式は、指数関数で表せる
「粒子と波動の二重性」
つまり、量子は粒でもあり波でもあるのです。
ここで、量子一つ一つについて考えるときは「粒」としてみますが、どんな状態かを示すときは「波」として考えた方が様々な公式を使えるので都合がいいです。
よって、一度量子を「波」として色々考えてみます。
さらば三角関数
高校数学で波を表現する式は、sin / cos / tan の3つの三角関数を習ったと思います。
しかし、大学で習う「オイラーの公式」を用いると、これらの三角関数を使わなくても波を表現できるのです!
つまり、三角関数を指数関数で表せます!
三角関数は微分・積分がややこしいのですが、指数関数にすることでめっちゃ簡単にできるようになります。
波は、位置と時間の二つで定まる
シュレディンガー方程式界隈で、波に関する式のことは、波動関数と呼びます。
波動関数は、3つの要素からできています。
①振幅
→波の高さを示す
②空間的に振動する波の指数関数
→どこにいるかを示す
③時間的に振動する波の指数関数
→いつの波かを示す
更に詳しい説明は、ぜひ本を読んでいただきたいです!
波の振幅を『A』の定数で、波の位置を『x』、時間を『t』の変数で表すとすると、波動関数はこうなります!
sinもcosも使わず、すごく簡単に波を記述できます!
微分すると、シュレディンガー方程式になる
あとは、先ほど求めた波動関数を微分することでシュレディンガー方程式を求められます。
ん?なんで微分?
まずは、簡単な問題を考えてみましょう。
6 = x + 4
この問題、x について解けますか??
誰がなんと言おうと、x = 2 です。
じゃあ、この問題はどうでしょうか。
y = x + 4
この問題、x, y について解けますか??
A君「x=2, y=6です!」
B君「いや、x=3, y=7だよ!」
C君「いやいや、x=12093, y=12097だよ…」
この3人、どれも正解ですよね。
つまり、未知の変数が2つ以上あると、その方程式の解は定まらなくなります。
波動関数って何個変数ありましたっけ?
そう、位置に関する『x』と時間に関する『t』の合計二つ!
よって、どちらかを定数とみなさないと、解は導けません。
ここで微分を使うのです。
片方の変数で微分をすることで、もう片方の変数を定数とみなせる微分方程式というものが作れます!
時間に依存しないシュレディンガー方程式
波動関数を『x』について2階微分することで、時間に関する変数『t』を消去した「時間に依存しないシュレディンガー方程式」を求められます。
途中で、波の性質に基づいて変数変換したり、力学的エネルギー保存則を用いて式を代入したりしますが、詳しいことはぜひ本で確認してみてください!
こんな感じになるという雰囲気にはなりますが、波動関数をxで2階微分して力学的エネルギー保存則にあてはめるんだ!ということを頭に入れておけば大丈夫です。
え、あの波動関数からこうなっちゃうの…
そうなんです。だからシュレディンガー方程式だけを先に見てしまうと、ゲッとなって離れてしまうのですが、ちゃんと過程を考えるとまだすんなりいきます。
時間に依存するシュレディンガー方程式
逆に、波動関数を『t』について1階微分することで、位置に関する変数『x』を消去した「時間に依存するシュレディンガー方程式」を求められます。
こちらも、エネルギー関する式(E = ħω)に基づいて変数変換したり、時間に依存しないシュレディンガー方程式の導出過程の式を再利用したりし、本来は求めます!
雰囲気としては、波動関数をtで1階微分して時間に依存しないシュレディンガー方程式に当てはめることで拡張するんだ!ということを頭に入れておけば大丈夫です。
こっちはまだすっきり!
先ほどの式より、こちらの式の方が適応範囲の広い一般的なシュレディンガー方程式です。
ですが、大学レベルの量子力学ではここまであまり扱わないとのこと。しかし、どちらの式も重要なことに変わりはありません!
シュレディンガー方程式はどう解くの?
虚数には、複素共役というものがあります。
あるxについての方程式の解の一つが「x = a+ib」なら、複素共役の「x = a-ib」も解となります。
これを利用してシュレディンガー方程式を解きます。
波動関数は虚数を含むので、波動関数にも複素共役が存在します。複素共役同士を掛け合わせることで、虚数部分を消すことができるのです。
波動関数をΨとして、波動関数の複素共役をΨ'(プサイダッシュ)と表すとします。
このΨ'を、先ほど導出したシュレディンガー方程式の両辺にかけて、-∞から∞の範囲で積分すると、任意の物理量を求められます。
規格化条件だとか、不確定性原理だとかが絡んでくるのですが、これから先はぜひ本を読んでみてください!
まとめ
「高校数学でわかるシュレディンガー方程式」を読み、シュレディンガー方程式の簡単な概要についてまとめてみました。
分かりやすさ重視で書いているので、専門的にみると間違っている箇所もあると思いますが、導入としてこの記事は読んでいただけると幸いです。
量子という目に見えない対象に対して立式して、解を求めて、というのは実態がつかめないがために難しく感じてしまいます。
だからこそ、基礎的な知識をしっかりと理解して、それを整理していくことが大切だとこの本を読んで感じました。
よく、高校で学んだことは将来使わないなんて言われますが、身の回りに目を向けてみると、高校知識を元により深く理解できることが多くあります。
高校での勉強も大切だったなと再認識させられました。
世の中には、わかりやすく、そしておもしろく事象をまとめてくれている本がたくさんあります。これを機に、いろんな本に手を伸ばしてみようと考えるようになりました。
この調子でどんどん知識を増やしていきたいです😊
世界大会へ行くための足しにさせていただきます! ご支援よろしくお願いします🙇