『新・マリアの父親』と『阿武隈梁山泊外伝』をAmazon KDPで改定版として国内外で販売開始した。
『新・マリアの父親』は、第4回「小説すばる新人賞」受賞作『マリアの父親』をベースにして舞台を福島に移した改訂版だ。
タイトルになっている「マリアの父親」とは何者なのか? その答えを見据えることは、現代を生きる私たちに、いっそう強い形で迫られている。それでも人々は見ようとしない。
日本はさらに「フクシマ化」が進んだ
『阿武隈梁山泊外伝』は、2011年の原発爆発後に講談社から発売され、各方面から注目された『裸のフクシマ』の続編ともいうべき、さらに赤裸々な実録。雑誌『東北学』に連載されたものを補完して一冊にまとめた。
原発爆発前から、水源地に建設される巨大風力発電施設を巡っても村で起きた深刻な分断や、補助金漬け行政の歪み。移住者たちが目指した生活の理想と現実。個性豊かな人たちの生き様などをありのままに書いている。
今回の改定ではA5判に拡大し、『新・マリアの父親』同様、読みやすくするためにフォントを14級にした。
Kindle版ではカラー写真を増やした。
「フクシマ」は私自身の中でもどんどん風化していっているが、今読み直すと、mRNA遺伝子製剤禍の渦中にある今の日本にもそのままあてはまる「社会構造の欠陥」を嫌というほど実体験した記録だったと分かる。
今回、あとがき部分を少しだけ書き足したので、それを含めて、以下抜粋してみる。
『阿武隈梁山泊外伝 -全村避難の村に起きたこと-』
各方面から注目された『裸のフクシマ』(講談社刊)の続編ともいうべき赤裸々な実録。筆者が実体験した私的な記録。
原発爆発後、福島県浜通りの住民たちはどのような生活をしていたのか? 生活を根底から覆されて自殺する人が出る一方で、賠償金ラプソディや除染バブルで生活感覚がおかしくなる人たちもいた。
全村避難の村にいち早く戻ってそれまで通りの暮らしを続けることを試みた筆者が見た、あまりにも異様な光景の数々。
原発爆発前から、水源地に建設される巨大風力発電施設を巡っても村で起きた深刻な分断や、補助金漬け行政の歪み。移住者たちが目指した生活の理想と現実。個性豊かな人たちの生き様。
雑誌『東北学』に連載されたものを補完して一冊にまとめた本書は、筆者が実体験した、伝聞ではない、私的な記録ゆえに、一般刊行はされなかったが、mRNA遺伝子製剤禍の渦中にある今の日本にもそのままあてはまる「社会構造の欠陥」と、その中で生き抜くための柔軟な現実解が如実に語られている。
2014年10月、Amazon KDP版として改変し、再発行。
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Kindle版もあります⇒こちら
『新・マリアの父親』
30年前にすでに「3.11フクシマ」を予言していたといわれる問題作『マリアの父親』(第4回「小説すばる新人賞」受賞作)をベースに、最終舞台を幌延から福島に移し、登場人物等も一部入れ替えるなどの改作を施した「新版」。
「地球への恋愛小説」と評され、一時はオリジナルの単行本がAmazonで古書価格が2万円で出品されていました。
魚の活け造りができなくて板前修業を諦めたナイーブな青年「てっちゃん」、不思議な色気を漂わせる美少女「マリア」、そしてマリアの保護者代わりの天才科学者「デンチ」。 3人が繰り広げる、不思議な道中記。
この世界を操っているシステムを勉強する旅に出た青年がたどり着いたゴールは?
はたして「マリアの父親」とは何ものなのか?
「この星があなたの母。でも、あなたの父はそれを認めない」
「作者の志というか、つよい情熱が伝わってくる フレッシュな新人の作品に、ひさしぶりで出会ったような気がする(五木寛之)」(1990年 第4回「小説すばる新人賞」受賞作品原本発行時の帯より)
★2024年、Amazon KDP版に改訂するにあたり、読みやすくするためにA5判・縦書き一段組・本文フォント14級に再編集しました。
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Kindle版もあります⇒こちら