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心の黄色信号
なんとなく鬱鬱。なんとなく苛々。特別な原因があるわけではないのだが、小さなストレスが重なって、心が重くなることが、ある。
1週間前くらいから、そんな気配がただよっていた。日々の仕事や予定をこなしながら、だましたまし過ごしていた。
もっと危うい、赤信号を発した時は、私の場合はひたすら寝るに限る。ただ、睡眠時間は足りていたしとりあえずのところ黄色信号程度。そんな時の心の栄養は、好きなこと。きっと気分転換になるような楽しいことをやれば元気になるという結論に落ち着き、昨日は、仕事中から、今日は仕事が終わったら思い切り好きなことをしようと思っていた。しかし、いったん灰色な世界に陥ってしまうと、想像力を膨らませる気力がないのか、やりたいことが思い浮かばなかった。
手っ取り早いのが、おいしいものとお酒なのだが、昨日は昼に会食があり、ボリューム満点の食事をおいしく食べ切った。摂取カロリーが気になるし、いつもと比べあまりお腹が空いていない。
最近めっきり1人で飲みに行かなくなったので、軽く飲めるBarにでも…と思ったけど、理想的な店が思い浮かばなかった。だからつまらないなあと思いつつ、寄り道せずに、ローソンでミニねばねば蕎麦のようなものを買って家に帰った。
減量中だしやっぱりビールは控えることにし、というかそこまで飲みたくもないし、蕎麦と作り置きしていたスープを食べて、21時には布団に入った。
たっぷり読書をしようとはりきって読んでいたのだけど、だんだん眠くなってきて、22時前に本を閉じた。が、眠たいと思って読書をやめたのに、眠れない。しばらく寝ようと頑張っていたが眠れないので再び本を開く。ものの数分読んでいるとまた眠くなり、本を閉じるが眠れない。これを2、3回繰り返した。
夜に炭水化物を控えめにすると不眠気味になる。もっとしゃきっと起きられているのなら、大歓迎なのだけど、たいていは眠いのに眠れないという状態になる。
眠れたのは1時ちかい頃だった。それでいて5時半頃に目が覚めた。その後はうとうとはできるも、すっきり「寝ました!」という感じになれずだるいのでちゃんと寝ました!感が出るまで粘っていたら、眠れたのだけど、起きたのは10時半ごろ。
今日は運動がてら朝からカフェに行き読書をしようと思っていたのだが……。
具体的には自転車で湘南深沢という地域にあるカフェでモーニングをと思っていたが、もう間に合わない。私は休日は朝昼兼用にしているし、ふだん甘いものをあまり食べないし、減量中だし、モーニングが終わってしまったらコーヒー一杯のために、40分自転車を漕ぐ気力がわかない。
こうして、私の心の信号は、今日も黄色のままだ。だらだらと家事をしてスープと卵ごはんを食べた。
しかし諦めてはいない。今日は夫と晩酌する日だから、何としても、日中、外に出て、かつ好きな本を読んで気分転換するのだ。でも行きたいところがない! 仕方がないので、とりあえず2番目に違い駅を目指して散歩することとした。
歩きながらどこかのカフェや喫茶店に行こうと考えた。読書をしたいので、落ち着く場所がいい。おしゃべりしてる人が多いと集中できない。それから冷房が効きすぎている店は避けたい。寒いと5分で店を出たくなる。行きたい店は思い浮かばなかった。
途中でよく通る公園に行くと、平日なので、人が少なく、だだっ広い芝生が気持ちよさそうだった。ローソンでコーヒーを買ってここで本を読めばいいのでは? というか、日陰もあるし、そよ風は心地良いし、緑は美しいし、ごちゃごちゃしたカフェより何倍もいい。
そうだ、アーシングもしてみよう。
アーシングとは、芝生や土や海などの自然に素足で触れ、人体に帯電している電気を放電することで、心身の健康維持によいと言われている。その効果に確信はないものの、芝生で裸足になるのは、気持ちが良いのは間違いない。
公園を出て近くのローソンへ行く。明らかな老人店員に驚きつつ、彼からコーヒーとミネラルウォーターを買い、公園に戻る。
木陰に入り、靴を脱ぐ。靴下を脱ぎ、芝生を踏みしめた。しっとりした草の感触が、熱を持った足裏の解放感に拍車をかける。家では裸足でいるのは普通のことで何とも思わないのに、屋外で裸足になるのはとても気持ちが良い。
散歩で充電されつつあったが、アーシングすると、ふぅ〜っと気が抜け、心が、落ち着きを取り戻す方向に向かい始めたと確信した。
それにしても、このまま立ちっぱなしで、スマホをいじるのも本を読むのも怪し過ぎる。でもアーシングは、地肌を自然につけるのが大事っぽいが、どうすれば?と考える。解決方法は簡単だった。体育座りをすればよかった。
というわけで、そよ風を頬で感じ、芝生でアーシングをしながら本を読んだり、文章を、書いたり、ぼーっとしたりしている。
心の信号機は青になるかと思ったけど、信号機自体が心から消えた。
好きなだけ本を読んでから、いつも通りの日々に戻るとする。