超晴天、超絶景、超激坂…おい、1つおかしいぞ?“Gran Fondo Il Lombardia 2023“後編
みなさんこんにちは。
10月半ばですが日中の気温が10度を下回り毎日震えているKです。脂肪があるのでお腹は暖かいんですけどね。前回に引き続き“Gran Fondo Il Lombardia 2023“に参加した話を書きます。
今回は後編なのでもし興味ある方は先に前半をご覧ください。
ちなみに今回も安定して長いです。
ここは天国か?絶景過ぎるコモ湖
下山し終わると絶景が広がっていました。
遠くに見える景色は本当に綺麗でイタリア旅行に行くならコモも悪く無いなと思ってしまうくらいでした。
45.5km地点から59km地点の山岳区間が始まるまではずっとこの絶景を眺めながら走る事ができます。
あっ、やっぱり地獄だ
この時9時半過ぎ、一気に交通量が増えて車と並走する事になります。
一応私達参加者を抜かす際には幅を取ってくれるものの、高級車に乗っている人達は運転に自信があるからかほぼスレスレを通り抜けていく人ばかりでした。
のんびり走りながら景色を楽しみたいと思っていましたがあまりにも車の走り方が危険過ぎるので前方にいた集団にくっついて一気にこの直線区間を走り切る事にしました。
ドイツもですが日本と違ってカーブミラーが全くありません。
脇道から車が現れる時はゆっくりではなくヒョイっという感覚で車が顔を出してきます。
全く歩行者等を気にする事なく顔を出してくるので集団の先頭の人は何度も車に接触しそうになっていました。
前日の受付の段階で分かっていたので私は一切集団の先頭に出ません。
山上り再び
55km地点でしょうか、集団の間に追い越しに来た車が入ってしまい集団が分裂してしまいました。
更に別の車にも間に入られてしまった為、集団から切り離されてしまった私は久々に単体での走行をする事になりました。
しばらくすると後ろから追いついてくれた親子が私を抜かして前を走ってくれたのでその2人の後ろについて行くことにしました。
60km地点からイベント2つ目の山岳区間であるMADONNNA DEL GHISALLOが現れます。
この坂結構面倒だぞ
前半区間は約3.5km、時折右側には綺麗なコモ湖が一望できます。
しかし後ろからは乗用車がバンバン私達スレスレを抜かしに来るのでかなり神経を使いました。
片側1車線なので対向車が来てしまった場合は車が私達集団のど真ん中を走行することになります。
この繰り返しが結構体力を削ってきます。
前半が終わると約2kmの平坦及び下り区間です。
コースの内容を忘れているので『あぁ、終わってくれたか』と安堵しながら走行します。
しかしすぐに後半区間が始まるので『うへぇ、忘れてた😰』と私達を無理やり現実に引き戻しにかかります。
この区間はリゾート地でもあるのでホテルや別荘、そして昔からあるであろう古き良き建物が多々あるので『イタリア走ってるなぁ』っていう気分にさせてくれました(なぜかは分かりませんが)
後半区間も終盤になると斜度がずっと11%から14%の間です。
中々大変ですがこの区間にはちらほら私達を応援してくれる方がいるので頑張れました。
やっと合流
上記写真を通り過ぎる頃でしょうか。
かなり良い展望エリアがありました。
呑気に止まっている暇はないと思いそのまま通り過ぎます。
しかしその際に視界の隅に小野くんが見えました。
慌てて引き返して展望エリアへ向かいます。
K「お待たせいたした。ここ休憩エリア?」
小「って思ったんですけど何もないんですよ」
K「何もない休憩エリア…」
ちょっと残念です。
小「あっちの景色良いですよ」
K「あっ、ほんと?じゃあ見てくるわ」
隣には銅像があったので記念撮影です。
長く休憩しているとお腹が減ってくるのでとっとと下山する事にしました。
走り始めてから少し坂道を下ると右側に本当の休憩エリアがありました。
ここからは
ようやくイベント2つの山場が終わってくれました。
後はゴールまでのんびり走るだけです。
K「ここの休憩なんだけど結構長めにとっても良いかな?」
タ「いいですよ。2時間くらいとりましょう」
K「もう動きたくなくなるやつだ(笑)」
まずいと分かっている何かが入っている水は素通りしてコーラをがぶ飲み、水を補充してサンドイッチ(ハンバーガーかも)をバクバク食べてました。
この時、オールドスタイルで走行していたおじさんが休憩エリアに現れましたが、瞬く間に多くの参加者達に囲まれていました。
やっぱり有名な人だったんですね。
それにしても気づいたことがあります。
イタリアだからというのもあるのでしょうが、ピナレロの自転車を使用している参加者がとても多く見られました。
中でも最上級モデルのDOGMAを使用している人が多いこと、多いこと…
更に横を見たら今年発売されたビアンキの最新モデルであるOLTRE RC 2023を使用している参加者がいました。
他の参加者の自転車を眺めながら小野くんと話していた所、遠くから運営の方と思われるカメラマンが私達の事をかなり長い時間撮影してくれていました。
おそらく2人共サイクルジャージに日本の国旗がついているので珍しいと思って撮影してくれていたのでしょう。
しかし残念ながらその写真はホームページからも見つける事ができませんでした。
とても欲しかったです。
K「ここからはゴールまで40kmくらいしかないから3人で一緒に走ろうか」
一緒に出発しても速攻で置いていかれる私の提案を2人が了承してくれたので30分程休憩した後、私達はゴールへ向けて再び走り始める事にしました。
意外と後半も面白い
山を下山した後はずっと平坦です。
何人かの参加者と隊列を組みながらひたすら進み続けます。
集団を率いているのは小野くんです。
元気ですねぇ。
75km地点で前半に走ったコースに合流します。
そして78.5km地点から再びコースが分かれます。
ずっと平坦なので後ろで楽をしながら『もう坂道ないから楽ちんだね』なんて思いながら走行していました。
しかしちょっとだけ問題がありました。
それは先日サドルを交換しまして…それが全くお尻に合わず、イベント後半はずっとお尻の痛みと闘っていました(この話は後日書くとします)
上っている時は痛くなかったんですけどね。
ノリノリだぜ
3人で他の集団に混ざりながら走っていました。
交通量も少なく広々とした楽な道です。
あまりにも楽だったのでタケオさんと楽しく話しながら走っていました。
しばらく走っていると他の集団もくっついてきて中々の大所帯です。
もうすぐイベントが終わると思っていた私は「パスタパーティーが待ってるぜー!」と大声で言いながら走っていました。
後ろの方も「イェーイ!パスター!」とノリノリです(合わせてくださりありがとうございます)
唐突に始まるもやしアタック
のんびり走行していたら一瞬だけサイコンのナビが私達の走行速度に追いつかなくなってしまいました。
その瞬間、小野くんが盛大に道を間違えます。
後ろにビタ付だった長身の参加者も一緒に道を間違えていました。
どうやら小野くんの方のナビも一瞬止まったらしく間違えたようです。
おそらく誰が先頭を引いていても間違えたでしょう。
再び走行を開始、しばらくは先程同様にタケオさんと話しながら走行を続けていました。
話し続けていると前を走行している長身の方から声をかけられます。
「君たち、話してないで前を引きなさい」
話し方が校長先生みたいでしたので私達の中であだ名を勝手に「校長」と命名しました。
まぁ自分の後ろで知らない言語で話し続けられていたからうるさかったんでしょうね。
とりあえず小野くんが先頭に出ます。
長身の方とその前の方を追い抜いて…一気に速度を上げます。
K「おい!あいつ訳分からんとこでアタックしてるぞ!」
タ「なんで!?」
レースでもなんでもないのにいきなりアタックを仕掛けてきた小野くんに離されまいと慌てて追走します。
他の方もついて行きたかったのかもしれませんが中々の強度でアタックをしていたので誰もついてこれませんでした。
校長もここで見事に切り離しです。
せめてあんたはついて来てくれよ。
イベントらしくて楽しいね
3人だけになってしまいましたが前を走っている集団に追いつき新しい集団が出来上がったので再び楽しく走っていました。
86km地点でしょうか。
ロータリーを走行し、出た瞬間にその場にいた参加者のサイコン(ナビ)が一斉に鳴ります。
K「おーい!道違うぞ!」
どうやらみんなで仲良く道を間違えたようです。
私達が間違えた道のすぐ隣に正規のルートがありサイコンではそれが確認しにくかったために間違えてしまったようです。
K「このまままっすぐ行けばちゃんとしたルートに戻るけどどうする?」
小「どうしましょうか?」
K「まぁ、せっかく参加したならちゃんとしたルートでゴールしたいよな」
小「ですよね」
という事で、一緒に道を間違えた面々も笑いながら先程のロータリーへ戻って再び正規ルートを走行し始めました。
道を間違えるなんてのも案外ロードバイクの醍醐味ですね。
おい!山終わったんじゃねぇのかよ!
98.7km地点、短かったのですぐに終わりましたがまぁ大変な坂道を上らされました。
頭の中では完全に『もう坂は無い』と思い込んでいたのでゲンナリしていました。
小野くんは体重が軽いのでスイスイ前に進んでいきます。羨ましいです。そんな小野くんの後ろには先ほど見た高級車が。
K「おい!慎太郎(小野くん)お前、今絶対に倒れんなよ!後ろにいるの(さっき休憩エリアで見た)オルトレだぞ!」
小「えっ!?やめて!」
総額200万円以上の自転車が後ろを走行しているなんて知ったら…絶対に前を走りたくありません。
それを聞いたオルトレの持ち主はめっちゃ笑っていました。
そりゃ、言葉は通じなくても車体名を言えば『自分の自転車の事言われてるな』くらいは分かりますよね。
ようやく見えた最後の山場
何度も現れる恐怖のロータリーを超え続けた103km地点、ようやくスタート地であるカントゥの街へ戻ってきました。
(ロータリーには他の参加者達とほぼ停車する事なく突っ込むので後ろから見ていてかなり怖かった)
ですが今までの自転車イベントと違ってしっかりと休憩をとっていたので身体はとても軽いです。
108.6km地点で前日、当日のイベント前に上った坂が最後の上り区間として現れます。
距離は750m、平均勾配は6.4%です。
K『ここが終わればイベントもおしまい!おっしゃー!』
小野くんとタケオさんもガンガン坂道を上って行きます。
最後の最後でそれ?
ゴール150m手前でしょうか。
信号があります。
私達がその道へ差し掛かる直前に赤信号になってしまいました。
ファンライドなので法律を守って停車です。
K「いや(分かっちゃいたけど)止まるんかい(笑)」
2人を含む他の参加者達も笑っていました。
最後はスッキリ終わらして欲しかったです。
信号が青になったので進み始めますがそこは斜度9%。
バランスが取れず、ペダルにクリートが付けられません(靴の裏にあるペダルを固定する出っ張り)
仕方がないから5m自転車を押して歩いて手すりに掴まりながらクリートをはめました。
激坂区間でさえ足をつかなかったのにまさかこんな場所で足をつかされる事になるとは思ってもいませんでした。
2人は私を置いて先にゴールラインまで走っていました。
最後は安定して置いてけぼりです。
2人以外の他の人とは一緒に写真には写りたくなかったので『すまねぇ』と思いながら前を走っていた他の参加者を抜き1人でゴールゲートを通りました。
何はともあれ2つ目のモニュメント“Gran Fond Il.Lombardia 2023“無事に完走です。
イベント終了でパスタパーティー🍝からのまさかの再会
イベント後はメダルをもらい3人でパスタパーティー会場へ向かいます。
自転車を放置しておくのは危険なのでイベント運営が用意してくれている駐輪場にて自転車を預けることにしました(計測チップは返却、5€返ってきた)
並んでいる時に突然横から声をかけられます。
おじさん「おぉ!完走したんだね!」
K「あぁ!あなたも!」
前日にメンテナンスコーナーで私に声をかけてくれたおじさんと再会しました。
おじさん「まさかまた会えるとは思ってなかったよ!」
K「うちもです😊」
自転車を預けたらお待ちかねのパスタの時間です。
パスタをもらったら席を探す為に設置されているテントへ向かいます。
その時です。
K「あっ、また会えた!?」
おばさん「あっ!あなた!走り切ったのね!」
前日に宿舎へ帰る直前に私に声をかけてくれた3人組(この時は2人)とも再会する事ができました。
おじさん1「どうだった!?あの坂!やばかっただろ!」
K「やばかった。もう上りたくない」
おじさん1「だよなぁ(笑)」
K「おじさん上った?あの坂上った?」
おじさん1「へへっ、上るわけねぇだろ(笑)」
K「だよねー🤣」
再会を喜びつつ私達はパスタパーティーを楽しみました。
それにしても参加者2000人以上いる中でピンポイントで前日に会った人と再会できるなんてとても運が良かったです。
先程駐輪場で再会したおじさんも「ここの席良いかな?」と来てくれたので4人で楽しくイベントの話で盛り上がりました。
楽しい時間はいつもあっという間です。
K「さて、夜も楽しむからそろそろ帰りますか!」
帰りは再び自走で前日と同じルートを3人で帰ります。
会場を出て坂道を下る時、おそらく最後尾の参加者であろう人がとんでもない程大変そうな顔をしながら救急車に先導されて坂道を上っていました。
よくみるとアジア人だなぁって思いながら応援しつつ帰りました。
後日知りましたがなんと日本人参加者だったそうです(ウィリエールの日本代理店担当者のキット北村さんという方でした)
私達より先のグループで出走したのに道中で全く出会わなかったので日本人がいた事にすら気がつきませんでした。
イベントの後は打ち上げしかないよね🎉
夜はミラノへ行きタケオさんの知り合いの方とも合流し超楽しい夜を過ごしました。
本当はミラノの話も書きたいんですけど文字数がとんでもないことになっているので割愛します。
ですがミラノの街で私達とあってくれた方の紹介だけさせてください。
いつも思いますけどその国に長く住んでいると外見や雰囲気が現地人化する現象が起こります。
この時のアキさんはまさに日本人の外見をしたイタリア人に見えました。
短い時間でしたが本当に楽しい時間、ありがとうございました。
10月9日(月曜日)
タ「じゃあ行きます。本当に今回はありがとうございました」
K「うちも最高に楽しかったです。また来年会いましょう。小野くんも気をつけてね」
小「はい、そちらも気をつけて」
2人は車で帰ります(途中でどこかの峠を攻めていたそうです)
タケオさんの車に小野くんの自転車を積んで一足先に出発しました。
K『今回も本当に楽しかった。やっぱりみんなで一緒に走るのは最高に楽しいね』
チェックアウトの時間になり宿舎を後にした私は前日と同じ駅にて切符を買い電車に乗り込みました(なぜか空港行きの切符が買えなかったから乗り換えのサロンノまで購入、その後サロンノで空港駅まで購入)
乗り換えの電車の中で日本から旅行に来ていた家族の方と知り合い空港でお話ししたりと最後まで良い出会いに恵まれた最高の3日間になりました。
その後は無事に飛行機に乗り込み(出発が2時間遅れた)夜には自宅があるクレーフェルトに帰る事ができました。
これにて人生で初めてのイタリアでの自転車イベント、無事に終了です。
最後に
今年の自転車イベントはミュンスターが最後になる予定でした。
しかし運良くこのイベントに誘ってもらい、そこからはとんとん拍子にイタリアまで来ることになりました。
人生で初めてのイタリア、そして仲間と走った最高のイベント。
今年最後のイベントも今までと同じ様に最高の終わり方をする事ができました。
ここからはしばらく冬の期間が続くので自転車に乗るのはかなり難しい時期が続くでしょう。
ですが来年はまた別の目標ができたのでそれに向けてまた走り続けていきたいです。
今回不参加だったKEIMASAも来年は参加したいとの事でしたので有無を言わさず激坂区間を走らせたいです。
本当に長くなってしまいましたがここまでお付き合いいただき誠にありがとうございます。
季節の変わり目、体調に気をつけて過ごしてください。
ではでは🤙
誘ってくれた小野くん、宿を手配し私達を導いてくれたタケオさん。
あっという間の2日間でしたが最高の思い出、本当にありがとうございました。