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温かな対話と丁寧な食事に解きほぐされる 「晩餐ブルース」【第1話感想】

激務でご飯食べる暇もなくて、夜遅くまで残業して、でも会社では愛想良い人として頑張ってて、でも家帰ったらほぼセルフネグレクト状態で、汚い部屋でベッドに寝転んで明日のタスク書き出して、何でもないのにツーッて涙が流れてくるの、あまりにも限界社会人描写として解像度が高い。そして段々と仕事が積もり積もってパツパツになって、思わず仕事中に声を荒げちゃうのとかも「分かる〜〜〜〜〜〜!!!!!」って思った。

仕事で疲れた社会人が、友人の作った美味しいご飯で癒されるというとても優しい穏やかなドラマなんですが、最初から最後まで感情の導線がとても丁寧で見ていて全くストレスがない。そして飯がマジで美味しそう。

過剰な労働を求められやすい現代、女性ももちろんだけど、特に男性は「男は文句言わず働いてナンボ!」みたいな押し付けをまだまだ受けやすい立場にあると思う。でも誰だって好きな仕事をしていても、手一杯になっちゃってどうしようもなくなるときあるんだよ。

そうやって苦しくなった時に、「友達とのご飯」というサードプレイスに助けを求められるってとても素晴らしいことだと思う。それを「晩餐」って言葉で表すのも良いな〜。別に状況は何も変わらなくても、ただ気持ちが楽になることを用意しておくのってすごくすごく大切だから。

今回は特に、それが男性同士でそれが行われているのも良いよね。子供の頃から競争を強いられやすいジェンダーだし、女性よりも対話からも遠ざけられやすい環境に置かれがちだから、こうやって男性同士が対話を通して相手を愛しむ姿が描かれていることって「ケアは性別によらない」ということを説得力を持って示す重要な視点だと思った。

主人公が泣きながらこぼす「もう分かんないだよな、何があったか、何もなかったのか」って台詞すごい分かるよ。つらいよね。そして、そういう状況にある人をを「水に刺したままドライフラワーになっちゃうかすみ草」にうっすら重ねるのもオシャレだ……。すごく好きなドラマです!!

【第2話見るか】見る〜〜〜!


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