写真の面白さがわからない
以前から写真を撮ることが趣味だという人が増えてきた。僕の周りにもたくさんいる、そして写真の話をして盛り上がっていることも多々ある。それは会話を楽しむという意味でも、写真に関する行為とその周辺を楽しんでいることはとても良いことだと思う。趣味としても多様性の一部としてきっとあるのだと思う。けれども、僕には理解できないのである。僕の場合、食わず嫌いと似ていてちょっとやってみたけど、よくわからないからやめたっていう感じである。
写真というと、僕の小さい時からずっと持っていたイメージが昔自分がどんなことをしていたかを見返すということだ。よくあるイメージとしては、家族団欒でこんなことがあったな、とか言って笑いながら話しているイメージ。自分の中でそれは理想郷なのだろうとは理解はしている。つまり、ドラマの中での出来事に近いものであること。(全員が全員そうではないと思うので、一個人としての考えです)。けれど、今は写真は少し芸術化した感じなのだろうか。それとも昔のイメージからただ離れていっているだけなのであろうか。僕にはよくわからない。おそらくこれは僕の悪い癖かもしれないが、どういったことが面白いのだろうと、人に写真を見せられると考えてしまう。
自分の体験になるのだが、この前その時に撮った写真を見せられたことがある。その時にこう言われた。この写真めっちゃ良いでしょう。僕はどういう反応をすれば良いのかわからず、そうやなと感情も特に込めずに答えたことがある。その時に僕はこう考えた。この写真は一体なんで良いんだろう。機械の中にある写真を見せられても、今自分がみている風景の方が、立体感があって良いと思ってしまうので、なんだか賛成しがたい気持ちになってしまう。きっとこの人の中では、僕と違う感性があって違う考え方をしているのであろうかとか考えてしまうのである。それでも、その子は楽しそうに写真を撮っている。最後に一番簡単で楽な結論にいつもたどり着く。それは、まあ人それぞれ感じることは違うから仕方ないか、と。
きっとこの気持ちは、小学生の頃に流行りに乗っていなかった小学生や中学生と同じ気持ちなのであろう。僕は小学生の頃は、遊戯王とかゲームをみんなと一緒にすることが多かった。いわゆる、小学生男子なら誰でも通る道なのであろう。つまり、小さなコミュニティーの中での流行に乗っていたのである。その時は自分のしていることが楽しかったので、興味のない人と接するということはあまりなかったように思える。おそらくだが、学校という狭いコミュニティーの中でしか世界をみていなかったのでそれに気づかなかったのではないかと思う。また、今よりインターネット技術が進んでいなかったので、情報に触れるという機会が少なかったのも要因であろう。その外の趣味なんて見向きもしなかったことが僕の中で一番大きな原因であると思っている。
話を写真に戻すが、では現代において(今)は、写真の役割というのは一体全体どこにあるのであろうか。役割と考えると議論としては成立しないような感じもするがとりあえず役割について考えてみる。上記で述べたように、昔の写真の役割というのは思い出に浸るということである、と僕は考えている。それと比較して今はどうであろうか。今はそうではないような感じがする。今は一枚一枚の写真が加工され、技術の高さが評価され、その時間軸に乗せるというよりは、技術にフォーカスが当たっているような感じがする。最近の写真は技術を元にして判断しているのであろうか。決して技術のみが判断基準ではないということも僕には理解できる。他の目的を持って写真を撮っている人もいるだろう。なので一括りにしてこれというのは良くない。けれど、僕の狭い交友範囲の中で見てみると、この写真が綺麗やろとかめっちゃ良くない?など、技術の面での形容詞が多い気がする。
(形容詞に関する記事も僕は書いたので、それも参考に)
https://note.com/tansansuikenta/n/n2f5488bc8f0e
技術が発展して、それを自由自在に扱える、誰かに伝えるというのはとても素晴らしいことであると思う。そして僕もそれを理解するように努めるべきであろうと思う。けれど、どうしても、僕はその一枚一枚の写真に何もストーリーが見えない気がしている。みる努力をしていないと言われれば、それでおしまいなのだが。だから教えて欲しい。あなたにとっての写真とは何か?一体何を考えながら写真を撮っているのか。その美しさは数学的美しさと似たようなものなのか。人間が美しさを本能として感じる風景は似たようなものだという話を聞いたことがある。それを意識しながら撮っているのであろうか。もし上記のことを意識しながら撮っているなら教えて欲しい。
僕は言葉なしでは理解できない人間だから。
言葉も難しくなれば、理解には時間がかかると思うが、根気強く教えて欲しい。