中央新幹線・早期具体化構想(2)
よしなしごと【気まぐれ選97】
中央新幹線はリニアではなく、現状方式でつくるべき。というのが前回の結論。ではどうするか。具体的に考えてみたい。
前回お読みでない方はぜひこちらから↓
中央新幹線・早期具体化構想(1)
https://note.com/tanpopost/n/nb5ff9d44c1fa
■車両はJR東で借りてくる
すでにJRでは、現在の700系の先行試験車が、営業線での高速走行試験で443.0km/hを出している。
さらに、JR東日本では東北新幹線用に開発中の次世代車両E954形「ファステック」で、時速360km/hでの営業運転に向け、試験走行を繰り返している。05年には時速389km/hをクリアした。これを借りてきましょう。16両編成に伸ばして、とりあえず380km/h運転で開業、線路状況を改善して近い将来は400km/hを目指す。
■「東京駅」はどうするか
厄介なのは東京駅。というか中央新幹線の「東京ターミナル」。これはあえて東京駅にこだわらない。何もすべて東京駅に集中させる必要もない。
ターミナルは新宿駅とする。そのほうが自然。都内には、山手線でも中央線でも地下鉄でも自由自在にアクセスできる。
よく新宿から東京まで大深度地下鉄で、とかの案も聞くが、そういうことを言うから「夢の新幹線」で終わる。
新宿駅の北側、新宿プリンスホテルの裏側あたりを立体化して留置線を作り、現在の新宿駅のホームの一部を2階建てにして新駅ホームを造る。ここが中央新幹線「新東京駅」となる。
■立川までは中央線を使う
さて「新東京駅」を出た中央新幹線は、山手線をオーバーパスして左にカーブする。新宿から三鷹まで、中央線は複々線である。このうち2本を標準軌に改軌して新幹線と在来線を並行して走らせる。新線にすればいいのは分かっているが、できるだけ安く、工期は早く済ませたい。
三鷹から立川までは中央線に沿って走る。立川から八王子までは新線で初めて新幹線らしくなる。新線で中央線から離れて緩いカーブを描きながら進み、八王子から先、高尾以降は山の中に入って、中央本線と並走しながら極力トンネルで抜けていく。山梨県に入り大月あたりは現在のリニア実験線を新幹線用に改造して活用し甲府へ。
■アルプスはトンネル越えで
リニアなら時速500km/hだが、従来タイプだと400km/h。ということで距離をできるだけ短縮しないといけない。
ちなみに今、JR東海などが考えているルートは、東京を出てほぼ在来線の中央本線ルートを走ることになっている。つまり、途中、甲府から北へぐいっと迂回するわけだが、別に松本にさしたる用事があるわけではない。たまたま南アルプスが邪魔をしているだけだ。明治時代ではないので、ここはまっすぐトンネルで抜ける。
南アルプスを長大トンネルで掘り抜き、一気に飯田へ。ここが工事としては一番難関。もう一度、中央高速道路と並行するように恵那山をトンネルで抜けて中津川。ここまでくれば名古屋はもうすぐ。
で、とりあえず名古屋までつくって暫定開業する。そこから先、大阪まではどうするか。それは次回に。
ということで♪線路はつづくよ~(あと2回)。
【よしなしごと0233・2007年7月 6日 (金)掲載】