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駐禁取締りで新ビジネス登場!?
よしなしごと【気まぐれ選60】
道交法の改正で2006年6月1日から駐車違反の取締りが民間委託されたが、さすがに駐車違反の先進地域大阪、さっそく駐禁ニュービジネスがお目見えしている。
今回ご紹介するのは、駐禁取締りの民営会社、㈱大阪パーキングパトロール(略称OPP)である。駐禁民営会社は概して、警察OBの再就職先の様相を示しているが、このOPPは警察天下りとは一線を画した新規参入組。
社長の大泉純一郎氏(41歳・元金融機関ファンドマネージャー)は語る。
「同じ駐車違反なら、ドライバーの方にできるだけ気分よく快適に罰金のお支払いをいただければ・・」ということで、「民間企業ならではの、民間でしかできないサービスを実現したい」と、さまざまな戦略を練っているのだ。
■ミニスカポリスがパトロール
同社の駐禁パトロール隊は、すべて20代の女性。二人一組、アメリカンポリスを思わせるミニスカユニフォームで颯爽と出動する。パトロールカーは青と白に塗り分けられたミニクーパーだ。
デジカメで駐車車両を撮影するが、ドライバーが近くにいた場合は、希望によってミニスカポリスと2ショット記念撮影もOKだという。「爽やかにキュートに駐禁切符を切らせていただく」というポリシーである。
ウインドウに貼る違反ステッカーも、ミニスカポリスの顔写真入り。すでに一部では、マニアのコレクションアイテムになりつつある。
■お車移動サービスシステム
道路状況によっては車両のレッカー移動も行うが、「お客様の大切なお車をお預かりするわけですから、万全のサービスを期しています」と大泉社長。
レッカー移動の際には、フルボディカバーをかける。車を傷つけないためでもあり、また移動中ナンバープレートが見えないように、とのこと。個人情報保護にも充分に配慮している。
移動した車はOPP契約駐車場で一時保管される。もちろん屋内保管である。嬉しいのはきちんと洗車してから返してくれること。もちろん洗車は無料である。オプションでワックスがけ、ウインドウ撥水コーティングなどもお願いできる(料金別途)。
■違反金キャッシュローンでらくらく
例えば給料日前に駐禁切符を切られた。違反金を払いたいが懐具合が寂しい・・といったときに役立つのが、違反金キャッシュサービス(愛称「いはん君」)。
免許証の提示だけで、その場で違反金の額をキャッシングしてくれる。しかも借入日から最初の1週間は無利息だから助かる。もちろん8日目以降も、利息は大手金融会社と同レベル。サラリーマンにとっては強い味方になりそうだ。
■メンバー登録でさらにお得
一度同社の駐禁サービスを利用すると、自動的にメンバー登録されるシステムもある。登録OKなら、リアウインドウにOPPステッカーが貼られる。
このステッカーがあれば、2回目以降の利用には特典がつき、保管駐車場の料金割引やワックスがけのサービスが受けられる。また、同社主催のミニスカポリス撮影会などイベントへの参加、オリジナルDVDのプレゼントなどもあるというから嬉しい。
OPPは現在のところ大阪市内のみの営業だが、「将来的には全国展開したい」とのこと。取りあえず今秋には東京地区とオンラインで結び、メンバーのお客様が東京で駐車違反してもOPPのサービスが利用できるように準備中。
来春にはミニスカポリスも東京デビュー予定。ますます目が離せない存在になりそうだ。
※もちろんのことですが、以上、すべてフィクションです。実在の団体・人物(がいるとは思えないが)などとは一切関係ありません。念のため。
【よしなしごと0153・2006年6月21日 (水))掲載】
2024注記:
2006年6月から道路交通法の改正により、警察庁が民間企業に駐車違反の取締まり業務を委託するようになった。これにより駐車違反の摘発が効率化された。駐車監視員は「みなし公務員」であり、二人一組で自転車で移動していることが多い。グリーンの制服を着ているので「緑のおじさん」とも呼ばれている。(女性もいます)
【よしなしごと】シリーズは『tanpoPost』に2004~2013年にかけて掲載したブログ記事です。エッセイ風のショートストーリー、パロディ、ニセ論文、小ネタ、などなど。思いつくままに書き散らした小文をランダムに【選】としてご紹介します。お付き合いいただければ幸いです。