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右か?左か?

気になる・・0076【選-30】2005年2月 3日 (木)

 ごく大まかに言うと、太平洋戦争以前の日本では、横書きは右から書く習慣があった。古い商店街に「こばた」とか「けさ」とかの看板が残っていたりする。現在でもその風習を残しているのが、クルマの右側面に文字を入れる場合である。
 この看板を発注した人は、多分お年寄りで、何の疑いもなく
「所業営西(株)業工車動自岡」と社名を右から書いた。
 ところが電話番号を入れる段になって、はたと心の迷いが出たのだろう。「6583-1117」を右から書くと「7111-3856」に間違えられる恐れがある。
 そこで下段はやむなく左から書くことにした。戦後の転換を受け入れた苦渋の決断である。

「本日の日本」について考える・・

【気になる】シリーズは散歩の途中に見つけた、何でもないようなものを何とかして面白がってみようとする、写真と小話のコラボ企画です。
『tanpoPost』に2004~2011年にかけて不定期連載した投稿記事から、ランダムに【選】としてご紹介します。お付き合いいただければ幸いです。
※なお当時のWEB環境の関係で画像が小さく見づらい場合があります。ご容赦ください。

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