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JR西の新幹線新戦略(案)

よしなしごと【気まぐれ選71】

N700系ではじまるJR西「新・新幹線」戦略

■喫煙ルームをより快適に、新ニーズを探る
 JR西とJR東海の共同開発による東海道新幹線の新型車両N700系が、2007年夏から営業運転を開始する。最高速300km/h(山陽区間)、車体傾斜装置、2.6km/h/sの加速性能などハード面での進化はともかく、利用者にとって最も気になるポイントは何といっても、全席禁煙となることだろう。
 東京・新大阪間は5分短縮されて2時間25分となるが、やはり愛煙家には辛い。
 このため、N700系には強制排煙装置・光触媒脱臭装置を備え、2〜4人が入れる喫煙ルームが3・7・10・15号車のデッキ部分に6ヵ所設けられる。煙草が吸えるのは確かにありがたいが、何となく情けない感じがするのも事実である。
 そこでJR西では愛煙家のお客様の声に応え、同社の所有するN700系(12編成・192両)については、JR東海とは違う独自のコンセプトで喫煙ルームの展開を検討することとしたという。

写真は現状の喫煙ルーム(イメージ)

■煙草も吸えるしビールも飲める
 JR西の新・新幹線計画では、6ヵ所ある喫煙ルームの内、3号車の1ヵ所を大幅に改装・拡大。『W-Bar(ウエスト・バール)』と名づける。カウンターを現状のほぼ10倍の長さとし、約30人(詰めれば50人程度までOK)が一度に入れるようにする。これで煙草を吸う順番待ちなどということはない。
 さらに、東京駅発17時以降の新大阪止のぞみは、喫煙ルームで軽飲食ができるようになる。カウンターでビール、水割、酎ハイなどアルコール飲料と、枝豆、奴豆腐、土手焼きなどが手頃な値段で気軽に楽しめる。煙草も吸えるしビールも飲めるというわけだ。

■出張帰りのビジネスマンを、JR西新幹線に取り込む
 JR西(新・新幹線戦略準備室)では、「東京出張帰りのビジネスマンに、より快適にJR西の新幹線をご利用いただきたい。東京駅で新幹線に乗った瞬間、お客様はもう梅田の立ち呑み屋にいるのと同じ!というコンセプトです」と抱負を語る。一番の目玉は串カツ(1本50円〜・税込)で、もちろん「ソースは二度漬け厳禁」だそうである。
 とりあえず試験的に自由席3号車で立ち呑み営業し、評判がよければ指定席15号車でも(こちらは椅子席あり)展開を図る。
 東京駅では、生ビール中ジョッキと枝豆に新大阪までの乗車券・特急券がついた『新幹線立ち呑みほろ酔いセット』も販売予定である。

 みたいなことにならないかな・・。と、上記記事はもちろんフィクション(大嘘)です。
【よしなしごと0157・2006年7月 3日 (月)掲載】

【よしなしごと】シリーズは『tanpoPost』に2004~2013年にかけて掲載したブログ記事です。エッセイ風のショートストーリー、パロディ、ニセ論文、小ネタ、などなど。思いつくままに書き散らした小文をランダムに【選】としてご紹介します。お付き合いいただければ幸いです。

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