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マスコミの責任と反省
よしなしごと【気まぐれ選117】
毎日、何かとうっとしいニュースが続く。
21:54から始まる夜10時台のニュース番組の司会者(プロレス中継から社会派に転向したフリーのアナウンサー)が思いつめた表情でコメントする。
「・・・しかし大阪は~~~が始まってるわけでしょう。それが予報では雨っていうのもどうかと・・。1年に一度のことですから、皆さんそれは楽しみにしていらっしゃるわけで・・。それをいきなり雨と言い切ってしまうのも無情だと思うんですね・・・」
話を振られた温厚そうな新聞社の解説者が受ける。
「・・・つまり、降水確率というのはあくまで確率でしてね。たとえ70%といっても本当にそうかどうかは、降ってみなければわからない、というのが現実なわけです」
「・・・私たちマスコミも、明日は雨だと伝えるだけでなく、本当にきちんと、雨が降ったのかあるいは降らなかったのか、しっかり検証していく義務があると思うのです。こんなところにも、私たちが普段気がつかない無神経さや無関心さが忍び寄ってきている、そんな気がしてなりません。反省しなければなりません。
さて、次です・・・」
うつらうつらしながら観ていたので定かではないが、前日の天気予報が外れたのかもしれないなあ。と思う。
【よしなしごと0265・2008年4月17日 (木)掲載】
2024注記:
言うまでもなくこの司会者は古舘伊知郎である。なお放送当日2008年4月16日、大阪は雨時々曇り、傘をさすかどうか微妙な具合で天気予報は難しい状況ではあった。が、このコメントが本当にお天気に対して述べられたのかどうかは今となってはわからない。
【よしなしごと】シリーズは『tanpoPost』に2004~2013年にかけて掲載したブログ記事です。エッセイ風のショートストーリー、パロディ、ニセ論文、小ネタ、などなど。思いつくままに書き散らした小文をランダムに【選】としてご紹介します。お付き合いいただければ幸いです。