赤いちょうちんを目指して
騒がしいのに
静か
酔ってるのに
シラフ
赤提灯がふっと消えて
飲み屋街が寝静まるまで
飲んでいたい
つまみはいらないから
若気の至りのような
飲み方じゃなくて
そっと静かに
グッと一杯
また一杯と飲んでいたい
酔っても顔が赤くならない私は
永遠を手に入れた気分になる
このままふっと体が浮き上がって
空を飛ぶんだ
そんな予感がした
頭がクラクラするような恋をした
もう終わった話
でも今思うと
ちょうど今みたいに酔っている気分だった気がする
千鳥足な毎日
酔っても顔が赤くならない私は
相手に酔ってることを隠してしまって
本当に思っていることを言葉で伝えられない
こんなに頭も心もクラクラなのに言えないんだ
一人がいい
今日は一人がいい
赤い提灯を目指してまた歩く
ああ今日の空はやけに綺麗だなあ
一筋の涙が頬を伝った
tanpoponico