悲しみの行方(マラソン番外編⑥)
思い切り泣くことができたら、そんなに楽なことはないのに。
そう思う、いつだって。
悲しくて、悲しくて、悲しくて、悲しくて。
それでも逃げ出すことも、投げ出すことも、どちらもできなくて。
逃げ出すことができたなら、投げ出すことができたなら、そんなことも考えてみるけれど。
本当は誰も傷つけたくないし、本当は誰も苦しめたくないし、どうしてこんなふうになってしまったのか私にもわからない。
泣くこともできなくて、怒っても仕方がなくて、笑うのも違うと思うし、では一体どうしたらいいのか?なんてことは誰も教えてくれなくて。
苦しい気持ちだけが残ってどうすることもできなくて。
そんなことがあるなんて知らないでいられた日々がしあわせだったということにやっと今気づけても遅すぎる。どうしようもない。
かなしみは消えなくて、かなしみは消せなくて、漂うように生きるしかなくなってしまって、本当は泣きたくて、でも絶対に泣きたくなくて。
宙に浮く心。
宙に浮く思い。
誰にも見せたくないけれど、隠し続ける力もなくて。
自分のことをどうしたらいいのかわからなくなってゆく。
自分は一人。
自分だけ。
あたらしい何かなんてもうどこにも残ってなくても、生きるしかないみたい。
選択肢はこれしかない。
そういうふうにしかもう仕方ないのか。
詩です。
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みなさまにもいいことがたくさんたくさんありますように。