-定期演奏会を聴きにいって考えた-
先日,勤務校の吹奏楽局による「定期演奏会」を鑑賞してきました。演奏も演出もスバラシイものでした。また,普段の学校生活で接している子たちが活躍する姿もスバラシイものです。
また,演奏楽曲も,とても刺激を受ける曲目でした。パンフレットには曲の説明が載っています。以下,本文を抜粋。
説明文を読むと,「ガリレオの月 = 木星を周回する4つの衛星のこと」とのこと。どういうことだろう…? 月?4つの衛星? 翌日,インターネットで楽曲についてもう少し詳しく調べてみました。すると…。
なるほど。「ガリレオの月」というのはまぁ例えみたいなもんで,「木星=ガリレオがいる場所(地球)」と想定すると,その周りを周回する4つの衛星→月(木星を地球と見立てると,その地球の周りを回る衛星はまるで月みたいなもの)というわけなのか。
●木星の衛星の発見って何の意味…?
でも,木星の衛星を見つけたからといって,「だから何?」とも思えているボクです。わざわざ,曲として「ガリレオの月」なんて曲が作られたり,木星の4つの衛星を「ガリレオ衛星」なんて呼んだりするのでしょうか。木星の衛星が見つかると,そんなにびっくりすることなのでしょうか。ワイワイある無数の星とどう違うのでしょうか。
疑問に思ったボクは,買ったはいいものの,まったく読んでいなかった『望遠鏡で見た星空の大発見』を読んでみることにしました。すると…!?
●挫折。もう1冊へ
読み始めたはいいものの,どこがミソなのかもよくわからないまま途中で挫折してしまいました(汗)。そんな行為,昔だったら「本の読めないヤツ」と周りから見下される気がしていたし,そんな自分が嫌になりそう。でも,今だったら「まぁそんなこともあるか」と思える。仮説実験授業研究会ってそんな雰囲気(とボクは思っている)。今度はもう少し読みやすそうな『いろいろな月―わたしの月,ガリレオの月』(小峰書店)を注文してみました。副題にも「ガリレオの月」なんて書いてあってぴったり。(こちらのガリレオの月は,たとえじゃなくて,ガリレオが観察した月について書かれていました。)
木星について触れる前に,その「月の観察」についての本文より。
なるほど。はじめて月をちゃんと観察したのはガリレオというわけです。確か《宇宙への道》でもちょろっとでてきたなー。
そして,月に対して「それまで誰も思ってもいなかったものが,見えてきた」っていうのはなんだろう…。きっとアレかな…?続きを読むと…。
-なるほどね。みんなは実生活がでかく見えることに感動していたけれど,ガリレオは「天文のことがよりわかるかもしれない」と思って望遠鏡を使ったんだなぁ。それで…?
やっぱりクレーターの話か~。でも,クレーターを観察できたからって何の意味があるんだよ~。《宇宙への道》でも,さらっと紹介されて終わってるしさ~。そんなことを思いながら読み進めていたのでした。しかし…。
なるほど~。周りの誰もが,「月はすべすべだよ。だって神が作ったんだもーん。当然ジャーン」という常識(思想?)だったのに,クレーターの発見は「神が作ったってヤツ違うんじゃないか!?」と疑うきっかけ…,ということでしょうか。
そして,ガリレオはその後,「月の表面の高いところと低いところがある」ということも発見し,「天の川」も<無数な小さな星のあつまり>だということも発見します。そして,あの「木星の衛星」も見つけるわけです。読んでいて,ボクはだんだんワクワクしてきました。「木星の惑星もやはり大発見…!?」
少しイメージがしづらかったので,天体ソフト「Mitaka」を使って,1日ごとに時間を早送りしてみました。
そうすると,太陽を中心にすべての惑星がまわっているように見えます。その次に,木星を中心に,大きく拡大して「ガリレオの4つの衛星」を10分毎に早送りしてみると,確かに,太陽ではなくて,「木星」を中心にまわっています。そうか~。「木星の惑星見つけたからって何の意味が…」と思っていたボクでしたが,この現象を通して,ガリレオは天動説を本格的に疑うようになったんだな…。そんなことを思うと,木星の衛星や月のクレーターにも愛着が湧いてくるから不思議です。そういえば,太陽のあの点も…。
そうか~。<黒点>もそうだったのか…。人間でいえば,つるつるな肌だったけどほくろを発見した…みたいなもんかな?
●岸さんの資料より
そうしているうちに,「そういえば岸さんのサークル資料にも《宇宙への道》の実践内容が書いてあったような…」と思い出してきました。目的意識や動機がないとあまり気にもとめていなかった文章も,気になりだした途端,思い出したくなったり,じっくり読みたくなります。(一方で,思いだせる自分もエラいと思いました 笑)
「HOMESTAR」はボクも去年買って見せた記憶があります。けれど,プラネタリウムごっこをして非日常をたのしんだだけで,うまく活用できなかった気がします。紹介されている『星空の大発見』も『いろいろな月』を読んだ後,岸さんの資料で紹介・引用してくれた後だと不思議と「もう1回読んでみようか」と思える。他人の存在ってホント大事ですね。どうやって授業をしたのか,岸さんがいるなら聞いてみよう。
●あとがき
今回,定期演奏会の「ガリレオの月」という楽曲がきっかけで,新しいことを知ることができました。それは《宇宙への道》3部にもつながるとも思うし,ガリレオは「天動説と地動説」について,ずっと気にしながら過ごしていたんだなと改めて感じました。
今夜,見上げると月。そんな月を見て,今までは「距離」しか感じなかったけれど(遠いようで意外と近い…,同じく夜空に浮かぶ星はめちゃ遠い…みたいな),今回の知識が増えたとたん,クレーターをみて「これが地動説のはじまりか…」なーんて考えてみたりする自分がいたのでした。 (おしまい)
(今回の資料は,登場人物もいないし,本の引用も多く,自分の考えが変わった体験をただ書いているので,読みづらいかもしれません。でも,自分にとっては発見(知ってうれしいこと)だったので,思わず書いてしまったのでした。)