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橋の上の詩人

パリに滞在中、何度も訪れてはぼんやりその空間を楽しんだ橋、ポン・デ・ザール。

夕暮れ時や夜の雰囲気がとても好きですが、その日は明るい昼下がりに訪れて、景色や橋の上に集う人々の観察をして楽しんでいました。

ふと、ベンチに座るある男性が目に止まりました。

何かを膝に乗せて、楽しそうに橋行く人たちと会話しているようです。

膝の上に乗せているのは…タイプライター?
よく見ると、足元には
「poésie」
と書かれたタイプライターのケースを立てかけています。

このタイプライターの色がまた良い感じ

しばらく観察していると、通りかかる人々が男性に声をかけ、タイプライターに何かを打ってもらい、印字されたカードを貰っていました。

…なるほど、詩人が橋の上で即興で詩を書いているのだな。

日本で見かけたら、何てキザな…!と思ってしまいそうですが、そこはパリの雰囲気のせいなのか、とても洒落た事のように思えました。

…ちょっと、声かけてみようかな?

と、一瞬思いましたが、
そもそもフランス語も英語も話せなくて、お店で何か頼むよりも難易度の高そうなコミュニケーションが必要そうだなとおもい、やめておきました。

今改めて写真を見返すと、立てかけられたケースに書かれていた「poésie」の下に小さく説明書きがあり、リクエストに応じて書いてくれて、しかも無料だということがわかりました。

思い出として、やはり声をかけとけばよかったなー。

詩を書いてもらう経験なんて、人生でこの先もあるのだろうか。🐕

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