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『パンがなければケーキを食べればよい』がなぜムカつくか
おれは今から「『パンがなければケーキを食べればよい』がなぜムカつくか」というnoteを書く。
なんでそんなことするかって、ムカついたからである。
(いや、そんなブチ切れてはいないのだが)
この文章を読んでいる人なら大体理解いただいているかと思うのだが、一応状況を話しておくと、
僕は適応障害を発症して休職した34歳のおニイちゃん。
今はもう復職しているのだが、会社に干されて就業時間中非常に暇である。
仕方がないので、転職活動も並行している。そんな状態である。
僕のケースも交えながら、やわらかく理論立ててみたので、ちょっと聞いてほしい。
なお、学術的な論文とかもあるのかもしれないが、さすがにそこまで追っていない。
あくまで僕が理論立てた(妄想と言ってもいい)、いわば大西理論であることは強調しておく。
この表を見てほしい。
気持ちがネガティブになる問題を抱えてしまった時、どのように解決に向かっていくかをなんとなく表にしてみたものである。
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大西作成
【縦軸/横軸】
縦軸は「ネガ/ポジ」・・・テンションである。
細かく説明する必要もないだろう。気分の上がり下がりである。
横軸は「思考/行動」・・・ここは少し仮説が混じるので説明する。
本来人間というのは、「考えながら行動する」「考えなしに行動する」という動き方が可能な生き物である。
だが、このケース、すなわち"パンがなければケーキを食べればよい"が発動するケースに限っては、「考えながら行動する」ことが「うまくいかない」ことが前提にあるのではと考えている。
理由はシンプルだ。それで解決してしまったら、当人悩まないので、「パンがなければケーキを食べればよい」と言われない。
立ち止まって考えなければならない。
つまり、思考量と行動量が反比例する。トレードオフの関係になる。
少なくとも当人にとっては、相応に難しい問題と戦っているときにしか現れないということだ。
なお、ネガティブから始まり、解決方法が見つかってポジティブに動いていくという流れなので、「時間軸」ともニアリーイコールかもしれない。
【3つの"期"】
大きく分けて3つのエリアに分かれると考えている。
■ネガティブ期
上述の通り、走りながら考える程度で解決できないレベルの問題と戦って、どうしたらいいのかわからないとき、である。
僕のケース(転職活動)だったら、
・短期離職が続いてしまっている中で再度の転職活動を始めることが果たして良いことか
・休職も直近で経験している。そもそも相手をしてくれる会社があるのかどうか。
・自分の体調や収入、家族、キャリアのことも考えなければならない。一番良い選択をしなければならないが、それが何かもわからない。
・そもそも転職でこれらの問題が解決するのだろうか?根本的な問題が発生しているのであれば、それを解決しないままの転職活動は職歴を増やすだけなのではないだろうか?
…などなど、様々な思惑が浮いては消える。
気持ちがポジティブになることはない。
■気づき期
ネガティブ期の問題と向き合って、解決策が沸き上がってきて自己効力感が上がってくる。
自己効力感の引用をしておく。
自己効力感とは、目標達成のための能力を自分自身が持っていると認識することです。噛み砕くと、「自分なら乗り越えられる」「きっとできるはず」と思える状態のことを指します。
このような認知状態にあると、仕事や生活などさまざまなシーンで直面する壁や困難、難問に立ち向かうことができ、たとえ失敗してしまっても早く立ち直ることが可能です。英語ではセルフエフィカシー(Self-efficacy)、日本語では自己可能感と言われることもあります。
要は、起こっている問題に対して、こうしたら解決できるのではないかとアイデアが出て、少し希望が持てている状態だ。
僕のケース(転職活動)だったら、「思ったより書類が通っている」、この一点である。
これだけでだいぶ希望が持てた。
短期離職や休職が、必ずしもネガティブに働かないことも理解した。
ちなみに、自己効力感の向上においては、
遂行行動の達成
代理的経験
言語的説得
情動的喚起
の4種が効果的とされている。キャリコンの学科で出る。
僕で言ったら遂行行動の達成になるのかな。
■解放期
上がった自己効力感を基に実際に行動を起こし、その行動がうまくいく(=僕で言ったら内定獲得)。
僕で言ったらこの辺からポジティブにものを捉えられるようになるんだけど、人によっては気づき期くらいからポジティブになるんだろうか?
で、だ。
ここまでが前提である。
おれが今回言いたいのは、『パンがなければケーキを食べればよい』がなぜムカつくか、である。
【『パンがなければケーキを食べればよい』がなぜムカつくか】
たぶん、こういうことだと思う。
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一言で言えば、「踏むべき段取りを通り越している」。
困難な悩みに向かった時に、
大した考えもないままに解決策を出す。
おれで言えば、ネガティブ期の中で、
そもそも転職活動をすべきかどうか、したとして相手にしてくれるかどうか、体調との兼ね合いは、家族は心配しないか、などなど、
(一部が単なる囚われであったとしても)大きな悩みと向かい合っているのだ。
そういう感情に寄り添うこともなく、
なぜ悩んでいるのかに理解を示すこともない。
「転職活動すればいいじゃなーい♪」とニコニコ言い放ってしまっては、
ムカつかれても当然ではないだろうか?
回答としてはこうだ。
「オマエに言われなくてもわかっている」
転職活動すればすべてが解決する可能性があることが分かったうえで、
それをすべきかどうかで悩んでいるのだ。
【じゃあどうしたらよかったのか】
■マインドセット
難しい話ではない。
段取りを踏めばよいのだと思う。
システマチックアプローチじゃないけど、
— 大西@不真面目に生きる (@yngrndx1) September 13, 2024
共感してラポール作って、「でもやんなきゃ変わんないぜ」「がんばろうぜ」と言ってやる段取りを踏んでやらないと、人って動かねえんだな、と思うなどした。
対等な立場に限るけど。
会社だったらうるせえやれでいいもんね。
コーチングなりキャリコンなり自己理解プログラムなりの心理的支援者がもしこの文章読んでいるとして、
こういう人にあった場合、多少遠回りに感じることもあるかもしれないし、
セッつきたくなる気持ちもわからんでもない。
でも、やっぱり、ネガティブ期→気づき期→解放期のこの順番は守ってあげてほしい。
これが皆さんの良く言う「伴走」ではないだろうか?
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相手が欲しい答えは、相手が言ってくる。
ほしい答えが出てこないのであれば、気持ちに共感してあげてほしい。
■言語的テクニック
と言ってはみたが、気持ちに共感というのは、慣れていない人には結構大変だ。
ぼくはキャリコン取った時にだいぶ苦戦した。
だから、まずは、「気持ちを聞いて、気持ちを質問する練習」を、日常会話の中でしてみてほしい。
たとえば、
「○○が××で、▲▲だった。その結果@@だったので、私は悲しかった。」
この文の場合、感情があるのは「悲しかった」なので、
悲しかったを軸にオープンクエスチョンをすればよい。
「そうなんですか~~悲しかったんですね~~それでどうでした?」みたいな質問を加えておけばよい。
何も解決していないと感じると思うのだが、それでもかまわん。
自分のアドバイスを横に置いて、ひたすら感情を軸に聞きに回ってほしい。
そのうち、しゃべっている側が、自分で課題に気が付き始めるタイミングがやってくる。
そしたらその時にアドバイスすればよい。
これだ。
これこそが「ネガティブ期」から「気づき期」に上がった瞬間になる。
納得感をもって、自分のアドバイスを聞いてもらえる瞬間になる。
「スッと入る」みたいな日本語が適するかもしれない。
間違ってもズバッと「じゃあ★★すればいいのではないですか?」とアドバイスをしてはならない。
中途半端にこういうコミュニケーションをしてしまうから、「パンがなければケーキを食べればよい」に聞こえてしまうのだ。
まずは、聞く。
聞いてほしい。