#39「やられた!と思った接客」
会社員時代の話です。
東京の大手外構造園会社に勤務していた私。
私にとっては大好きな仕事だったので、全く問題なかったのだが、
世間一般的にみると、かなりストレスがたまる仕事だったと思う。
建築の設計者、建物の工事監督との打ち合わせ、工程管理、
お客様との打ち合わせ、工事中物件の管理、
上司の厳しいチェック、大量の提出資料、
職人さんへの指示、工程管理
数十件以上の物件が同時に動いているので、毎日仕事のことを考え生活していた。
それに加え、会社用ケータイは毎日履歴がなくなるほど着信がある。
クレームが発生した時なんかは一日中電話しなければならない。
そんな感じでストレスが溜まる原因は山ほどあった。
※大事なことなので2回いいますが、このストレス以上にお庭が完成した時の達成感、お客様からの感謝があったので、大好きな仕事でした。
だが、このストレスを癒してくれる秘密の場所が私にはあった。
それは東京の調布市にある植木屋さんの圃場である。
私の仕事では、お庭を作るときに使う樹木を自分で選ぶようにしていた。
樹木は一本一本大きさも太さも形もちがうから図面に3mアオダモって書いても他人任せにしていると、いざ現場に植木が到着したときに、
何これ、イメージと違う
と、かなりの確率で落胆する。
なので、できる限り樹木は自分で選ぶようにしていた。
そこで調布市の植木屋さんの圃場に時間ができれば通っていたのだが、
ここでその植木屋さんは私のような20代前半のペーペーにもいつも優しく接してくれ、植木についていろいろ教えてくれるのであった。
そこに行くと、いろんなやらなければならない仕事も一度忘れることができ、
樹木に囲まれた、青い空が見える、コンクリートジャングルとは思えない空間で一息つけるのであった。
その植木屋さんはいつもお茶かコーヒーどっちがいいか聞いてくれ、お茶をリクエストした時は、今では珍しい、スチール缶のお茶をくれるのであった、このお茶がなんとも言えない癒しを私に与えてくれた。
ドラム缶で剪定枝を燃やし暖を取りながらお茶を片手にボーッとしていると本当に嫌なことは忘れることができた。
樹木の選定と言う理由で、この場所でできるだけ長い時間をすごしていた。
会社が休みの日には三軒茶屋のアパートから、調布市まで約2時間かけ、自転車で癒されに行ったこともある。
やられた!と思った接客(植木を案内してくれるので接客とここでは言い換える)なのかどうかはわからないけれども、当時の私からすれば、最高の癒しの場所であったのは間違いない。
きっと段ボールで箱買いで買ってある、一缶50円程度のお茶なのかもしれないけれど、私には50円以上の価値を感じさせてくれた。
fin...
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