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詩「黄色い絨毯」

変わらない毎日が苦しくてそれでも朝は訪れて今日も同じ道を歩いている

毎朝歩く道の銀杏の木は
日々少しずつ色を変え

緑かと思えば
だんだんと黄色くなってきて

知らないうちに
まん丸の実なんて携えて
たわわに携えて

そして
そしたら道の上にまあるいかわいい黄色い丸い子を落としたりして

時にその黄色い丸い子は一人っ子ではなく、双子だったりして

私は密やかに
何食わぬ顔顔して黄色い丸い子を踏みつける事を楽しみにしていたりして

踏みつけた

すれ違う人たちは気にも留めないようで

そんな日々が続いたと思ったら
それからしばらくして道の上は黄色い絨毯になってもふもふしてて

すれ違う人たちはやはり気にも留めない

私は黄色い絨毯の上を歩いた

私もみんなと同じで、何食わぬ顔して
それどころか
もっと興味ない顔をした

だけど本当は黄色い絨毯の上を思い切り踏み込んだ
そしてふわふわしてる感覚を楽しんだ

もしかしたら
本当は道行く人たちも、私と同じく、何食わぬ顔して朝が怖いかもしれない
何か変わる事を祈っているかもしれない
そんな気持ちで毎日同じ道を通っているかも

私はそう感じて
もう一度黄色の絨毯を強く踏み込んで通り過ぎた

次は茶色くなってまた緑になる

(MacBook)

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