諸行無常がないリコリス・ピザ
物事は普遍的で、流動的で、変わる、変わりゆく。諸行無常という言葉も物語ってる。
確かにそれはそう。私もそう思う。気が合う友達だと思っていても、互いに取り巻く環境が変われば、その関係性が変わる事もある。栄えたり衰えたりする。
親子も家族もそうだと思う。けど、違うのは親子は血が繋がってる。その繋がりが安心な時もあれば、憎い時もある。だけど結局はゼロにはならない、血縁っていうのはなかなかすごいと思う。
恋人も夫も絶対はない。
けど、変わりゆく中で、変わらなくて、信じられるものを見つけたら、大切にすべきだと思う。
ポールトーマスアンダーソン監督の、「リコリス・ピザ」を鑑賞してそう思いました。
ふとした事がきっかけで出会った男女が、素直になれなかったり、ぶつかったり焦ったくて、切なくて、甘酸っぱい感じが持続する映画だった。
1970年代っていう時代背景もなんだかレトロでポップでかわいらしい。主人公の男女は、ふたりとも不器用だし、勇気がないのだ。踏み出せなくて。進んでは戻って。
だけど、いつもそこにあって、そばにあって、それはなんでなんだろうと思いながら、時が流れる。すれ違いばかりだと思いながらも、実はもう人生は動き出していたのだ。ふたりとも新しく踏み出していた。
世の中には、いつもそばにいる事って当たり前な事ではない。
スタートの時の変化は見えずらい。けれど、普遍的な毎日の中で何者にも変え難い人やモノに出会ってしまったら、それはしっかりと歩き続けるべきだと思う。
リコリス・ピザの主人公の男女はそうだったなあと思う。ずっと変わらなかった。諸行無常の響きの中にもまだまだ楽しいことたくさんあるものだ。立ち止まらなければ、歩き続けたら、衰えても無くなることは無いと思う。(あと、サントラも最高だった。)
だから、変わらずに過ごす事が大切だ。変化は自分の歩みの中に。
(MacBook)
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