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ひとはなぜ眠くなるのか?
人生の全体は、覚醒と睡眠から成っている
当たり前のことですが、私たちは日々、起きているか寝ているかのどちらかです。人生の3分の1、約30年を費やす睡眠。より学びを深めたいと思い、オフィスの棚にあった本を手に取り読んでみました。
厚生労働省が発表している「健康づくりのための睡眠指針2014」の検討委員会の座長を務めた、日本大学医学部精神医学系主任教授の内山 真先生のご著書です。
第20章まであるので、5つのnoteに分けて、私が気になった箇所を引用してご紹介します。
睡眠とは
哺乳類や鳥類などの恒温動物はエネルギー消費が大きい。とりわけ大脳はエネルギー消費が莫大。
哺乳類にとって、睡眠とは、身体が休むときに脳の活動をしっかり低下させて休息させるシステム。
脳の重さは、平均的な体重の約2%程度に過ぎませんが、その一方で、脳は1日当たりの基礎代謝の約25%のエネルギーを消費しているそうです。脳の休息のために睡眠が必要なのですね。
人間は手先や足先から熱を逃すシステムが作動すると、体内や脳の温度が下がり始めだんだんと眠くなる。
手の甲、足の甲、太ももの内側が熱を逃すときに重要な働きをしている。
眠たそうな子どもの手足を触ると温かいですよね。熱を外に出して、体内の深部体温を低下させる仕組みがあるんですね。
なぜ眠くなるのか
眉間の奥の部分で感知をする、プロスタグランジンD2が睡眠を引き起こす
![](https://assets.st-note.com/img/1652851783161-UwD9iwSj8l.png)
少し調べてみると、最新の研究ではプロスタグランジンD2が、アデノシンという物質を増加させ、このアデノシンが睡眠を誘発する物質なんだそうです。奥深い。
カフェインは睡眠物質が溜まってきたという情報の伝達を妨げる
これはよく知られていることですね。上の図のように、脳を最も強力に覚醒させる神経伝達物質の一つであるヒスタミンの作用を、睡眠物質のアデノシンが抑制するのですが、その抑制する力をカフェインがブロックするのだそうです。
脳が疲れた分だけ深く眠る。日中に酷使された脳部位は酷使された分だけ深く眠り、それにより機能を回復する。
疲れているときは落ちるように眠りにつくことがありますね。脳は回復をさせるために深い眠りになり修復をしているのですね。
左右片方の脳を使わないようにすると。その部分は睡眠が浅くなる。
レム睡眠とノンレム睡眠
睡眠は、レム睡眠とノンレム睡眠の2つに分かれています。レム睡眠は「Rapid Eye Movement」、翻訳すると急速眼球運動です。レム睡眠中は目がぴくぴくと活発に動いています。英語頭文字を取って、REM=レム睡眠と言います。一方で、レムの無い睡眠をノンレム睡眠と言います。
一晩のあいだ、80%はノンレム睡眠、20%はレム睡眠
下の図のように、大半がノンレム睡眠です。
![](https://assets.st-note.com/img/1652853036317-8mIu2rfrhm.png?width=1200)
ノンレム睡眠はこんな特徴があります。
深い眠り(ノンレム睡眠)のときは寝汗をかいて熱を逃し、深部体温を下げて脳を休息させている。
ノンレム睡眠の意義は、主に脳を休ませること。
「睡眠とは」の項目でも書いたように、脳の活動をしっかり低下させて休息させるシステムが睡眠です。その脳を休める働きは、ノンレム睡眠のときに担っているそうです。
一方、レム睡眠はどんな特徴があるのでしょうか。
レム睡眠中は殆どの場合夢を見る。
ノンレム睡眠中に休んだ脳機能を朝の覚醒に向けて、外界の変化から離れて夢を見ながら徐々に働かせている。オフラインでウォーミングアップしている。
たしかに起きる前の浅い眠りのときに夢を見ている気がします。いきなり覚醒して脳が起きてびっくりしないように、準備体操をしているのだそう。
レム睡眠中は筋肉の緊張が著しく低下している。運動器官を休めている。
電車の中などで居眠りをして、体を支えられずに座席に倒れているひとを見かけることがありますが、浅い眠りのときは筋肉の緊張が緩んでいるからなのですね。
レム睡眠が浅い眠りなのに目覚めずに20分以上続くのは、外部からの感覚入力が遮断されているから
浅い眠りのときにも、視覚や聴覚といった感覚器官があまり働くなることで睡眠を持続させることができるのですね。その他にもレム睡眠にはこんな特徴があるそうです。
つづく・・・