谷郁雄の詩のノート54
先日、高円寺の駅頭でもらったUFOのチラシ。テイッシュがセットになっていました。チラシの表側には「UFOには愛がある」という言葉が印刷され、裏側には「地球人は実験室で創られた!」という言葉。この日はUFOのイベントがあったらしく、チラシはその宣伝でした。空を見上げたらUFOも浮かんでいたかもしれません。人間界は何でもあり。高円寺は楽しい街です。noteは無料公開しているので、詩集を買っていただけると嬉しいです!
「赤ちゃん」
今朝は
女性の運転士さん
だから
なのか
電車も
やさしく
走っている
眠っている
赤ちゃんを
起こさないように
「お手本」
勉強せんと
お父ちゃんみたいになるよと
よく母は言った
その言葉は
神様の声のように
ぼくの心に刺さった
父は
勉強せんと
こうなるよの
お手本だった
けれど
毎日
安物の靴を履いて
会社に出かけていった
帰宅すると
うまそうに
ビールを飲んだ
父は
勉強せんでも
幸せになれるよの
お手本でもあった
「白い家」
うちの
すぐそばの
中古の戸建てが
売りに出ている
価格が
8千万円
どう見ても
800万円くらいの
価値しかない家
いったい
誰が買うのだろう
夏の光が
白い
その家を
照らしている
ときどき
鳩たちが
屋根に止まって
毛繕いしたり
キスしたり
している
©️Ikuo Tani 2024
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