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谷郁雄の詩のノート59

氷川神社に行く道の途中にカフェ「poem」があります。ぼくの記憶では、この高円寺駅前のポエムと同じお店が、他の街にもありました。三鷹や方南町でも見かけました。高円寺のポエムは女性に人気のお店のようです。小さな店なので中に入れず外の椅子に座って待っている女性の姿をよく見かけます。中の女性たちは、コーヒー片手に噂話や恋バナに花を咲かせているのでしょうか。一人で入るのは怖いので、会社の女の子を誘って潜入してみたいと思っています。詩人はタダでコーヒーが飲めるとか(笑)



「出会い系」

街は人
人は街

今日も
出会いを求めて
街に出る

街こそが
出会い系

けれど
やさしい人と
出会うとは
かぎらない

泣きながら
とぼとぼ
道を歩いている女の子は
明日の君かもしれない



「バッハとサザン」

バッハと
サザンが
同時に流れている
双子のような
二台のCDラジカセから

バッハを
聴いているのは妻
サザンは
ぼく

バッハと
サザンが
響き合い
混じり合って
一つの旋律になり

ぼくは聴く
左の耳で
バッハ
右の耳で
サザン

心の耳で
妻の
息遣いを

©️Ikuo  Tani  2024


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