築地"きつねや”のホルモン丼を食べてみた!
築地場外市場で出会った行列
年の瀬の寒空の下、築地場外市場の活気あふれる通りを歩いていると、ひときわ目を引く光景に出会いました。築地四丁目の交差点から場外市場へと続く道沿いに、一軒の店前だけ、長蛇の列ができているのです。
一体何があるのだろう? と興味を惹かれて近づいてみると、そこには「きつねや」と書かれた白い暖簾がはためいていました。ああ、ここが例のホルモン丼で有名な「きつねや」かと納得。
ホルモン丼の誘惑
店の前には仮設のテーブルが並び、多くの外国人観光客が、熱々のホルモン丼を美味しそうに頬張っています。その光景と、鼻をくすぐる香ばしい匂いに、私のお腹はたちまち空腹を訴え始め……
これはもう並んで食べるしかない!と、行列の最後尾に加わることに。列に並びながら周りを観察すると、外国人観光客の皆さんも行儀よく、かつ落ち着いた様子で順番を待っています。お店の人たちも、テキパキと、しかし感じ良く対応していて、そのプロフェッショナルな雰囲気に、期待はますます高まります。
いざ、実食!ホルモン丼との対面
そして、ついに自分の番がやってきました。注文したのは、もちろん看板メニューの「ホルモン丼」。熱々の湯気が立ち上る丼が目の前に置かれた瞬間、思わず息を呑みました。
丼の中央には、艶やかな濃い茶色のホルモンが、たっぷりと盛られています。その上には、シャキシャキとしたネギが散りばめられ、これで食欲をそそられないはずはありません。まさに、見た目からして期待を裏切らない、魅力的な一品です。
感動の味わい
まずは一口、ホルモンを口に運ぶ。驚いたのは、その柔らかさ。しっかりと煮込まれているのに、ホルモン特有の臭みは全くなく、とろけるような舌触りです。八丁味噌ベースのタレは、濃厚でコク深く、ホルモンとの相性も抜群。ご飯との絡み具合も絶妙で、箸が止まりません。
ホルモンは毎日丁寧に煮込まれているらしく、そのこだわりが味に表れています。一度下茹でしたホルモンを、さらに大鍋で味噌と煮込んでいるというから、いかに手間暇がかけられているのがわかりますね。
さらに、きざみネギが良いアクセントになっています。濃厚なタレに、さっぱりとしたネギが加わることで、味が単調にならず、最後まで美味しく食べ進めることができるのです。卓上に置かれた七味をかけると、ピリッとした辛さが加わり、また違った味わいを楽しめます。※味はかなり濃いので、薄味志向の人はご注意ください
コスパも魅力
このホルモン丼、1杯900円という値段も、この築地エリアのインバウンド相場からすると、良心的だと感じました。この界隈で丼を注文すると1杯数千円は覚悟しなければなりません。海鮮メニューでないとはいえ、これだけのクオリティのホルモン丼が千円以内で食べられるのは、まさに穴場といえるでしょう。※複数人でのシェアは禁止されています
体も温まる至福の一杯
熱々のホルモン丼を夢中で食べているうちに、あっという間に完食してしまいました。食べ終わった後も、身体がポカポカと温かく、なんとも心地よい。なるほど、この美味しさなら、人々が押し寄せるのも納得です。
「きつねや」のホルモン丼は、まさに下町の味を今に伝える、絶品グルメでした。店主のおじい様が、お酒の肴として煮込んだホルモン煮をルーツに持つというのも、このお店の歴史を感じさせます。
メニュー紹介
メニューはホルモン丼、ホルモン煮、肉豆腐とごはん、卵、半熟卵とビールなど。
まとめ
築地場外市場の「きつねや」で味わうホルモン丼は、長年愛される下町の味が詰まった、まさに絶品グルメでした。行列に並んででも食べる価値のある、その濃厚で奥深い味わいは、一度食べたら忘れられないでしょう。八丁味噌でじっくり煮込まれたとろけるホルモンと、ご飯の相性は抜群で、身体も心も満たされます。築地を訪れた際には、ぜひ体験してみてください。(千里 ふうた)