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災害ボランティアセンターを円滑に運営する3つの秘訣

前回は、台風15号における静岡市災害ボランティアセンターでのkintone(キントーン)活用事例をご紹介しました。
今回は、災害ボランティアセンターを多様な支援者と連携しながら円滑に運営するための秘訣をお届けします。
静岡県災害ボランティア本部の静岡県社会福祉協議会職員松浦史紀さんに教えていただきました。

静岡県社会福祉協議会職員の松浦史紀さん

【秘訣①】県外からも現地状況が分かる場を用意

今回静岡市災害ボランティアセンターの運営には、静岡市社会福祉協議会のスタッフの他に、静岡県外の社会福祉協議会のスタッフらが応援に入りました。主に関東方面から入った県外職員は延べ約300人。

静岡県外からの応援スタッフを受け入れるのは初めて、県外スタッフと共にkintoneを使うのも初めてという状況でした。応援に駆け付ける職員の中には不安な気持ちを抱えて被災地入りする方もいます。
しかし、kintoneはクラウドサービスなので、現地の災害ボランティアセンターに入る前に、遠隔でも事前に情報を見たりアプリを操作してみたりすることができます。

応援に入る職員同士で連絡を取り合えるように「オンライン伝言板」応援に入ったスタッフ同士の「日報アプリ」も登場!
当日の業務内容、報告事項、所感などを各班のリーダーが記載。現地でどういう動きをすればよいのか、現地入りする上での心の準備などに大変役に立ちました。

引き継ぎ書としても活躍した応援に入ったスタッフ同士の「日報アプリ」

また、遠隔地から入るスタッフの引き継ぎにも重宝しました。これまで被災地の応援に入るときは、現地に行かないと外部スタッフとの引き継ぎが出来ず、各地域で引き継ぎ書の様式も統一されていなかったそうです。

松浦さんは、「災害ボランティアセンターの情報の一元管理ができ、kintoneにアクセスすることで多くの関係者が同じ情報を得られたことが良かったのではないかと思う」とお話してくださいました。

そして、この「日報アプリ」を発案作成したのは、平時から密に連携を取っていた他県から応援に入った社協職員だったのです。

【秘訣②】遠隔地の関係者で平時から情報交換

私たちサイボウズ災害支援チームは、災害ボランティアセンターでkintoneを導入又は検討してくれている全国の社会福祉協議会職員や災害支援パートナー職員と定期的にオンラインで情報交換を行っています。中には、地域を超えて勉強会に参加してくれる関係者もいます。今回、こうして日頃から連携していることが功を奏しました。

松浦さんは「日頃からお互いkintoneをどのように使っているのか、定例ミーティングで情報交換し合っていて、静岡県社協の環境も分かっていてくれて、他県の応援社協の人たちに上手く教えてくれていたのではないかなと思う」と振り返りました。 

日本全国各地いつどこで災害がおこるか分かりません。
だからこそ、日頃から都道府県を超えた連携の必要性が改めて浮き彫りになりました。

【秘訣③】県社協と市町社協の密な連携

初心者がkintoneを使いやすいようにカスタマイズ

静岡市災害ボランティアセンターでは、初めてkintoneを使うスタッフがほとんどだったため、松浦さんは初心者でも使いやすいように、少しカスタマイズしてくれていました。

例えば、標準機能だと表示されないアイコンの横に機能名が表示されるように設定。こうした細かい配慮により初心者でも迷わないようになります。

初心者がkintoneを使いやすいようにカスタマイズした事例

他にも進捗状況を色分けして見やすくしたりしていました。

初心者がkintoneを使いやすいようにカスタマイズした事例

僅かな違いかもしれませんが、初心者にとっては直観的でとても扱いやすく嬉しい配慮です。

「どうカスタマイズしたら、みんなが使いやすくなるかを考えていた。kintoneを使用して3年目、長く使っているから気づけること。初心者でも分かりやすく直ぐに活用できるように考えて設定していた。」と松浦さん。

市町村社協を俯瞰して見ることができる県社協だからこそできた、都道府県と市町村社協の連携プレーのチームワークではないでしょうか。

災害ボランティアセンター訓練用アプリを用意

静岡県社会福祉協議会では、各市町社協が災害ボランティアセンターの運営訓練をする際にいつでも活用できるアプリセットを用意しています。これにより準備の手間が省け、いつでも気軽に訓練が実施可能となります。

災害ボランティアセンター運営訓練用アプリ

松浦さんは「今年は、災害ボランティアセンターでICTを使うことの意識向上につながった。ただ、あくまでもツール。現場の状況を見て、何のために使うのか考えることが必要。」と語ってくれました。

静岡県社会福祉協議会職員の松浦史紀さん

また、最後に災害ボランティアセンターにおけるkintone活用のパイオニアとして「我々のベストプラクティスも失敗も参考にしてほしい。そして、作成したアプリもコピーして使ってほしい。」と心強いメッセージもいただきました。

松浦さんにお話を伺い、kintoneを災害ボランティアセンターで活用することは、現場と遠隔地から関わる全ての関係者を結び、チームワークあふれるセンターの運営に役立っているのではないかと改めて感じました。

来年2023年は、より現場でkintoneを役立ててもらえるように、kintoneを活用した災害ボランティアセンター運営訓練社協の平時利用をテーマとした実践的なセミナーも開催予定!
全国の災害ボランティアセンターをチームワークあふれるものとするためにも、より多くの関係者の皆さまと日頃から連携して減災に取り組んでいきたいと思いますのでよろしくお願いいたします!

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