
第2章 なぜ自分を傷つけるのか 62
自傷行為をする理由
◆他者をコントロールしようとする自傷
自傷行為をする人は基本的に生き方が不器用ですが、彼らが器用で、納得いかないこと、承服できないことがあった時に、対象となる人に反論、反撃できれば自分を傷つけなくても済むでしょう。しかし自傷をするような人は、そんなことをしてさらに反撃されてしまうことを避けたいのです。そのために自傷は隠れて行われるることが普通でした。
しかし他者をコントロールしようとする自傷では、自傷が反撃されないで相手に働きかけられる手段となっている場合もあります。自傷により、相手を怯えさせたり、態度を変えさせたりできるのです。
しかし効果は長くは続きません。アピール的な自傷は早晩威力を失います。周囲は自傷者の時化粧になれてしまいます。