
第2章 なぜ自分を傷つけるのか 65
やめにくい自傷
◆自傷行為のアディクション化
自傷行為は辛い気持ちから逃れるために次第にエスカレートして、やめることができなくなります。あたかも自傷という行為に依存しているようにも見え、自傷のアディクション(嗜癖)化といいます。
物質への嗜癖と同時に、一時期には苦境から目をそらすのに役立ちますが、目の前にある問題は根本的には解決していません。また事情をせざるを得なくなります。
またエスカレートと同時に、以前よりもささいないことで自傷したくなります。当初は生きるか死ぬかというような深刻な悩みで、やむを得ず自傷を選択していたかもしれません。しかしエスカレートするうちに、自傷のハードルは下がります。ちょっとしたストレスでも自傷による癒やしを求めるようになるのです。